七姫との日々を通して確実に変化した奏と複雑な想いを胸に抱く七姫が描かれた回『できそこないの姫君たち』29話の感想

➡Click here for English edition 『できそこないの姫君たち』29話の感想について語っていくことに。 おしながき『できそこないの姫君たち』29話の感想最後に 『できそこないの姫君たち』29話の感想▼https://amzn.to/4g2Wsbd 『できそこないの姫君たち』29話では、七姫と過ごしていく中で奏が確実に変化したことを実感できる話に仕上がっていたと思う。 作中における奏の言動を振り返ってみると、奏は確実に変化したなぁと実感した。 奏がおしゃれに対して積極的になっていた点は『でき姫』29話における見どころの1つ。奏の変化を色濃く表現した描写として、以下のものが考えられる。 奏の変化を色濃く表現した描写七姫達に勧められた服を全部試着したいと言った奏奏がカバンについて調べていたこと七姫に可愛いと言われると本当に可愛くなれたと感じる奏 七姫に感謝の言葉を伝える時の奏はいつもより魅力的に映った。 奏が七姫に感謝の言葉を伝える時に用いられた吹き出しは透明だった。心からの本音を表現しているのでしょう。本当に可愛くなれたんじゃないかと感じる奏を見ると、1話の頃から大きく変わったことを実感する。1話の時の奏の口から出ないであろうセリフだ。 奏が別れ際に放った感謝の言葉は七姫の心を射抜いていたな… 流石に七姫も奏に心を奪われるでしょ… 七姫も奏が確実に変化していることを実感しているのが分かる。実際、七姫は奏に可愛くなったと言っていたし。 お目当てのカバン…

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あなたとともにどこまでも『私のブルーガーネット』1巻の感想

『私のブルーガーネット』1巻の感想について語っていくことに。 おしながき『私のブルーガーネット』1巻の感想ブルーガーネットについて考える最後に 『私のブルーガーネット』1巻の感想▼https://amzn.to/3CWCm3M 訳ありな女性たちによる三角関係が思っている以上に複雑だと感じた。 主人公の紺がこれまで過ごしてきた人生を見ると、さすがに辛くなってしまう… 思っている以上にキャラクターのバックボーンが重いなぁ… 書影を見た感じ、甘い感じの物語ではないと察していたものの、想像以上に重いパンチが飛んできた。 転職活動が上手くいかない紺・大好きな人の命を奪いたいと感じる藍・藍と浮気した後に藍と家族を置いてどこかへ旅立った楓。こうして字面を並べて見ると、どの女性も個性的だと思うんだ。 複雑な三角関係を見たいという方は一度チェックするのもありかな。 居場所を失くした紺が藍という居場所を見つけ、藍と一緒にいるためならどこまでもついていく様子を描いた百合漫画。藍と出会ったからこそ、紺は後戻りできない旅をすることになったと言った方が良いかもしれないけど。 紺の弱さ・葛藤・藍に対する恋愛感情が特に印象的だった。もちろん、藍の楓に対する想いも目を引く。 転職活動で否定され続けたからこそ、紺は藍の温かさに惹かれたのだと思った。唯一、紺を肯定したのが藍。それは紺にとって最も求めていたもの。藍に事情があると分かっていても、紺は藍を求めてしまう。藍に対する紺の想いは『私のブルーガーネット』を…

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真帆の指摘・いろはの提案に伴う七姫の反応が印象的な回『できそこないの姫君たち』28話の感想

➡Click here for English edition 『できそこないの姫君たち』28話の感想について語っていくことに。 おしながき『できそこないの姫君たち』28話の感想最後に 『できそこないの姫君たち』28話の感想▼https://amzn.to/3ZhCfr3 真帆・いろは・奏の言動に追い詰められていく七姫を見ていると、胸を締め付けられるんですが… 話が進むにつれ、七姫が追い詰められていく…いくつもの出来事が七姫の心にグサグサ刺さっていたと思う。 幸か不幸か奏からのメッセージが七姫にとってとどめの一撃になっていたような。28話時点では、七姫にとって最悪の結末かどうかは分からなかったわけですが。 七姫の葛藤やアキオに対する嫉妬、今の関係性に満足できない想いなどを色濃く表現した話に仕上がっていたのではないだろうか。 真帆は七姫にどれだけ変わったとしても、過去は無かったことにはならないことを示した重要な存在だったと私は解釈している。 真帆は七姫に過去の出来事を振り返り、悔いるきっかけを作った。奏の眉毛を七姫が指摘したこと・七姫が美樹を突き放したこと。結果がどうであれ、七姫は他者を傷つけたことには変わりない。七姫の行動を許せる者もいれば、許せない者もいる。真帆の場合は後者に当たる。なぜなら、真帆にとって美樹はかけがえのない存在だから。 美樹を裏切った七姫を許せないといった想いが真帆の言葉から滲み出ていた。 本当に清算できていると自信を持って言えるのかという真帆の指摘は特に…

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灯の信じたい想いが先行する『白き乙女の人狼(ウェアウルフ)』25話の感想

➡Click here for English edition 『白き乙女の人狼』25話の感想について語っていくことに。 おしながき『白き乙女の人狼』25話の感想最後に 『白き乙女の人狼』25話の感想 葵の危機に立ち上がる灯を見てくれと言いたい! 『白き乙女の人狼』25話における見どころは葵が人狼の可能性があるかもしれないにも関わらず、灯が葵をかばったところだと思う。 灯は葵を信じているというよりも葵を信じたいと感じているのかもしれない。 灯自身、葵を信じられるだけの根拠がないと言っていた。それを踏まえたら、灯は葵を信じたいと感じているのでしょう。 葵をかばった灯を見た時の葵の反応が可愛かった。 最初の話し合いの時も今の状況と同じだったと灯は自分に言い聞かせていた。全ては葵を守るために。 灯は、葵が人狼かもしれないという可能性を否定したいのがよく分かる。真実を知ることが決して良い方向に結び付くとは限らない。灯の場合、親友の葵と離れ離れになってしまう可能性がある。それは灯にとっては耐え難いこと。紫音の退学の時以上に灯の心に深い傷がつくかもしれない。 灯は葵のことを友達だと言っていたけど、葵に恋をしているのでは?葵が灯をかばったのも灯に恋していたからだし。 灯の決死の行動も翠は納得していなさそうだったな。最も、葵を守りたいという気持ちは理解していると思うけど。 今回の話し合いにおいて、葵のアリバイが無いことを踏まえると、葵が圧倒的不利。灯と葵はどう切り抜けるのか気になりますね…

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アーラの理想・クレアの理想・レイの理想『私の推しは悪役令嬢。』47話の感想

➡Click here for English edition 『私の推しは悪役令嬢。』47話の感想について語っていくことに。 おしながき『私の推しは悪役令嬢。』47話の感想クリスマス前に届けられるアクリルアートパネルリリィで思い出したこと次にくるライトノベル大賞 2024に『勇者になりたい少女と、勇者になるべき彼女』がノミネート最後に 『私の推しは悪役令嬢。』47話の感想▼https://amzn.to/4g5tAyF アーラに対し、自らの信念を貫くクレアが印象的だった。 不正貴族を摘発し続けたクレアに破滅の未来あるいは復讐の対象にされる未来かもしれない。どちらも同じようなものではないかと言う方もいそうですが。それでも、自らの正義と理想を信じ、アーラと正面から向き合うクレアがかっこよかったと思うんだ。 全てを受け入れるクレアの瞳に迷いはなかった。真実に近づくことが怖いはずなのに。ひょっとしたら、ドルを裁く立場に立たされるかもしれないのに。場合によっては、ドルと一緒にクレアが裁かれる可能性も。レーネの時もオルソー家の人間達が国外追放の処分となったし。最悪の未来が待っていたとしても、クレアはドルと正面から向き合う覚悟があるのでしょう。破滅の運命を受け入れる覚悟をクレアが持っていることは「Revolution」のシナリオから察することができる。 クレアの覚悟を優しく見守っているレイも印象的。ひょっとしたら、レイは複雑な表情を抱いていたのかもしれない。なぜなら、レイが理想を貫くことによ…

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同人誌を作る人間のリアルな一面を描いた『あさぎ色のサウダージ』10話の感想

『あさぎ色のサウダージ』10話の感想について語っていくことに。 おしながき『あさぎ色のサウダージ』10話の感想最後に 『あさぎ色のサウダージ』10話の感想 初めてのコミティアで蓮とまつりが苦い経験をする様子を見ていると、胸を締め付けられた… 強がっていた蓮が悔しがる様子はリアリティがあった。心血を注いで作った同人誌が思っている以上に売れないことで生じる悔しさは多くの同人作家が経験しているのでしょう。その悔しさは本人でなければ分からないことも。蓮とまつりが感じた悔しさは計り知れないものだったと私は考えている。 蓮とまつりのセリフや表情を見て、2人は悔しい想いをしているなと察することができる。ただし、蓮とまつりの想いを100%理解できているかと言われたら、そこには疑問符がつく。X上でも同人誌が売れなかった話や単行本が思っている以上に売れないなどの話を目にすることがある。そんな時、何て言えば良いか分からなくなってしまう場合も。言葉によっては相手を傷つけてしまうことだって… まつりが蓮に帰ろうかと声をかけるシーンも見ていて辛い。まつりが笑顔で言っているから尚更辛い。時間がまだ残っているにもかかわらず、その場を去ろうとしているまつりは蓮と同じ辛さを味わっていたのを察することができる。 同人誌が売れない辛さといえば、2001年に放送された『こみっくパーティー』のアニメでも描かれていましたね。見たことがない方も多いかもしれないけど。『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』で…

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夏の夜に弾ける!百合の打ち上げ花火!!『お菊さんはいちゃ憑きたい』3巻の感想

『お菊さんはいちゃ憑きたい』3巻の感想について語っていくことに。 おしながき『お菊さんはいちゃ憑きたい』3巻の感想『お菊さんはいちゃ憑きたい』3巻の特典最後に 『お菊さんはいちゃ憑きたい』3巻の感想▼https://amzn.to/4hTqyPA 浴衣・思わずドキッとする展開・愛する人から祝福を受けるための料理対決・江戸時代や幽霊について興味を持てる雑学要素など、いくつもの魅力が1冊に凝縮されていた。 涼世とお菊さんの百合をより魅力的に!ドキッとする展開がより大きく描かれていた点は個人的におすすめできる部分だと思う。 読んでいて、ドキドキする時間が多かった気が… 本編では、浴衣デートや料理対決の話で涼世とお菊さんの信頼関係・確実に深まっていく愛などが丁寧に描かれていた。おまけ漫画では、涼世とお菊さんにとってホットな展開が待っている。 少しずつ明らかになる涼世とお菊さんの過去・廻の現在・牡丹灯篭のお露さんの登場が物語にさらなる深みを与えていく。 そして、作中に散りばめられた小ネタの数々は遊び心にあふれていて、読み手を楽しませてくれる。江戸時代や幽霊に関する雑学を適度に入れることで読み手を飽きさせない点も評価できる部分。物語と雑学ないし小ネタの見せ方のバランスが絶妙だ。 料理の要素を活かすのが本当に上手い!涼世とお菊さんの繋がりや物語における謎を解くためのピースとしてしっかり機能している。 あとがきでも『菊憑き』に関する制作秘話を知ることができる。参考になる話が読めるので、ここ…

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亜季と志帆がリア充過ぎた『ささやくように恋を唄う』53話の感想~『わたなれ』アニメ化発表について思うことを添えて~

➡Click here for English edition 『ささやくように恋を唄う』53話の感想について語っていくことに。 おしながき『ささやくように恋を唄う』53話の感想最後に補足 『ささやくように恋を唄う』53話の感想▼https://amzn.to/3V1LNVA 亜季に対してデレる志帆が可愛すぎるんですがぁ!!! 亜季に対してバチバチッと火花を散らしていた志帆もすっかり恋する乙女ですよ。志帆に対して恥ずかし気な表情を浮かべつつもまんざらでもない感じを醸し出す志帆が可愛すぎないですか??? リボンコーデを試している時の志帆がホンマに可愛い… 極めつけは亜季と志帆が手を繋いで歩く後姿ですよ… 亜季と志帆の手がアップで描かれていたのヤバないですか???亜季と志帆が零距離になっているも同然としか… 亜季と志帆の幸せにあふれた時間が凝縮されていた話に仕上がっていたと思う。 亜季と志帆のアツアツな姿はアイスよりも甘いし、その熱さにアイスがメルトするんじゃないかと。 普段はツンツンしてる志帆が亜季の前だけど、可愛い一面を解き放つ姿がたまらなく可愛いんですよ…カッコよさと可愛さとツンツンした感じのバランスが絶妙。志帆は亜季に逆らえないと。素直になれない志帆が心を開いた後、亜季の懐に吸い込まれていくのもあっという間だ。リボン選びを行っていた亜季だけど、このまま志帆の人生をスタイリストして欲しい。 亜季と志帆のデートを目撃したひまりのリアクションもおもろい。サングラスをかけた…

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美沙によって羽化した伊緒・伊緒から信頼を得られてない勘違いな長谷『映しちゃダメな顔』12話の感想

➡Click here for English edition 『映しちゃダメな顔』12話の感想について語っていくことに。 おしながき『映しちゃダメな顔』12話の感想最後に 『映しちゃダメな顔』12話の感想▼https://amzn.to/4eD2RIv 美沙に可愛がられた後の伊緒がとても可愛くなっていた… 伊緒は美沙によって魅力を引き出され、人間としても、俳優としても一段階上のステージに行ったと思う。 美沙によってつけられた傷痕を愛でた後、撮影の舞台に立った伊緒の表情がカッコよくなかったですか??? 美沙に可愛がられている時の伊緒は可愛く、無様で魅力的。仕事モードになると、物語の世界に入り込み、魅力的な演技を披露する。 美沙につけられた傷を目にした時の伊緒が興奮しつつも嬉しそうにしている時の表情が可愛いんですよね… 傷痕を愛でた後、撮影本番に臨む伊緒の姿が『映しちゃダメな顔』12話で魅力的だなと感じたシーン。 長谷は美沙に伊緒の才能が潰されるかもしれないと感じていたけど、それが大きな勘違い。 長谷の言葉も長谷の行動も本当意味わかんない。 伊緒の才能を引き出せるのは美沙だけなんだよ!!なんでそれが分からないんだよ!!! 美沙に攻められている時の伊緒は良い表情をするし、美沙を感じながら演技している時の伊緒は役になり切ってるよ! 長谷こそ、ちっとも分かってないよ!! 長谷に伊緒を説教する権利なんてねぇんだよ!!!美沙の真似事やれば伊緒は満足すると思ってる天下一品のバカ…

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ちり先生はさユリ氏と『魔法少女にあこがれて』と『無力聖女と無能王女~魔力ゼロで召喚された聖女の異世界救国記~』が好…

『お菊さんはいちゃ憑きたい』15話の感想について語っていくことに。 おしながき『お菊さんはいちゃ憑きたい』15話の感想ちり先生に言いたいことがある鈴虫最後に 『お菊さんはいちゃ憑きたい』15話の感想 浴衣姿のお菊さんが超かわいかった… お菊さんの髪型、普段の涼世の髪型を意識していたのかな?いずれにしても可愛いことには変わりない。涼世に恋している時のお菊さんが本当に可愛いんですよね… そして、浴衣姿の涼世も可愛いよ。お菊さんとお祭りを楽しんでいる涼世の恋が走り出していたな。この恋が止まらないで欲しいと強く感じてしまう。危なっかしい一面がありつつも幸せ溢れる涼世とお菊さんの関係性。プライベートの時でもバトルの時でもベストパートナーといった印象が強い。 お菊さんと出店を巡っている時の涼世は本当に楽しそう。涼世の心の中でお菊さんに対する恋心がどんどん膨らんでいる様子が描かれていたなと感じた。だからこそ、お菊さんのとある言葉に涼世の心が揺れ動くんだ。 涼世の返事を聞けたら思い残すことはないと思うというお菊さんの言葉。それ即ち、涼世の返事をお菊さんが聞いた瞬間、お菊さんと現世をつなぐ未練がなくなるということだ。未練がなくなるのに伴い、お菊さんが成仏する。その結果、涼世はお菊さんと離れ離れになり、涼世は孤独になるかもしれないということだ。最も、お菊さんが簡単に成仏するのかどうか疑問だけど。これまでのお菊さんの言動から察するに、現世の未練が半端じゃないのは確かだろう。未練の強さに比例して、幽霊の…

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