【感想・考察】『私を喰べたい、ひとでなし』9話~抑え続けた衝動と解き明かされる記憶~

美しい妖怪の少女と辛い過去を抱えた少女の百合を描いた『わたたべ』こと『私を喰べたい、ひとでなし』。

今回は、『わたたべ』9話の感想とポイントを紹介します。


基本情報

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タイトル『私を喰べたい、ひとでなし』9話
サブタイトル約束は願いの残滓
作者苗川采(@naekawa_sai)
掲載誌電撃マオウ2021年6月号
出版社KADOKAWA
発売日2021年4月27日
ISBN4910164110612
コミックウォーカーhttps://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM01201866010000_68/
配信【ブックウォーカー】etc

『私を喰べたい、ひとでなし』9話の内容

『わたたべ』9話は、汐莉と美胡の対決の様子に加え、比名子と美胡の過去について描かれていました。

比名子の家族が美胡と交わした約束。
自分を抑えるのに精いっぱいな美胡。
全てを思い出そうとする比名子。

3人の想いが複雑に絡み合う!

『私を喰べたい、ひとでなし』9話の感想

切なさと複雑さが一気に襲い掛かる回だった。

美胡…

汐莉が容赦なくトドメを刺そうとするのは、汐莉なりの慈悲となのかもしれない。
どれだけ、妖怪としての一面を抑えようとも、妖怪の血には抗えないというやつですね…

過去のエピソードがより一層、切なさを強くしている。
これはあれだ、別れが辛くなるやつだ。

自分を抑えきれない美胡を汐莉がトドメを刺すというのが綺麗な流れなのだろうなと感じた。

汐莉の容赦なさと慈悲に加え、美胡の比名子に対する愛情が伝わる回だったと思う。
10話をより面白くする回といった印象が強い。

P.S.
小さい美胡が可愛すぎた…

『私を喰べたい、ひとでなし』9話を整理する

『わたたべ』9話のポイントをいくつか整理していこうかなと。

自分の思う『わたたべ』9話のポイントは、以下の通り。

  • 扉とサブタイトル
  • 小さい美胡
  • 自分を抑える美胡
  • 美胡と比名子の家族が交わした約束

扉とサブタイトル

『わたたべ』12話の扉絵は、手で目を隠す美胡と朝顔が描かれています。

手を隠しているのは、比名子に自分の正体を隠している・比名子を喰らいたいという衝動を抑えている様子を表現しているのかなと。
彼女は親友?それとも人でなしという問いかけが書かれていましたが、個人的にはそのどちらも美胡だと答えます。
理由は、これまで比名子を見守り続けたという点で親友、比名子を喰らいたいという妖怪の血に抗えない点で人でなしの面が出ているからです。

朝顔は、夏を代表する花のひとつ。
花言葉は、「結束」・「愛情」・「私はあなたに絡みつく」・「はかない愛」・「冷静」と色によって異なります。

比名子に対する愛情や比名子の家族と交わした固い約束、人でなしとしての自分を抑えようと冷静になるところと美胡を表すのにふさわしい花ですね。

サブタイトルの「約束は願いの残滓」というのは、比名子の家族が美胡に安全祈願のお願いを指しているのでしょう。
願いを叶えるため、比名子の家族との約束を守り続けていると。

小さい美胡

小さい美胡がマジで可愛い…

美胡が比名子の叔母さんに比名子をお迎えに来ましたと言っていましたが、学校というよりはこれからの人生の送り迎えをするといった感覚を覚えます。

汐莉のように、他の妖怪や予想外の事故など、あらゆる危険から比名子を守るために。
比名子をずっと見守り続けていたのが伝わってきます。

自分を抑える美胡

汐莉と戦う美胡は、自分を抑えていました。
これまでもずっと。
比名子の家族が安全祈願を願った日から。

比名子に安全な場所にいるよう言ったりと優しさを見せます。

妖怪としての衝動を抑え続けることは、相当の力を使うのでしょう。
美胡が学校を休み続けていたのもそのせいです。

抑え続けるのは限りがあるのかなと。
最終的には、『仮面ライダーディケイド』に登場したヒビキのように力を制御できなくなるのかなと解釈しています。
そう考えると、汐莉が躊躇いなく倒そうとするのも納得がいきます。

旬が近づくにつれ、妖怪としての衝動を抑えるのが難しくなっていたのかなと。

美胡と比名子の家族が交わした約束

美胡と比名子の家族が交わした約束も『わたたべ』9話における見どころのひとつです。

美胡は、比名子の家族との約束を果たすため、汐莉や自分と戦い続けていました。

比名子の家族との約束を果たせなかった無念さ・後悔が美胡の中で渦巻いているのでしょう。

それは、美胡の力の原動力に。

狐にはランクが存在する

美胡の正体はオキツネ様。
土地神と呼ばれる存在です。
汐莉の見立てによると、空狐か野狐と言っていました。

狐には、ランクが存在しており、力によってランクが決定されます。
ランクは以下の通り。

天狐>空狐>気狐>野狐

空狐は、1000年以上生きた狐で気狐の倍以上の力を持ちます。
1000年以上生きた狐は、仙狐神と呼ばれています。
3000年以上生きた空狐は稲荷空狐と呼ばれ、天狐以上の力を発揮するのだとか。
仙狐神と聞いて、『世話やきキツネの仙狐さん』が頭に浮かんだ方もいると思います。
仙狐さんは、800歳で壁をすり抜けたり、鬼火を操ったりとさまざまな能力を使いこなします。
気狐の状態でもかなりの力を有しているのかなと。

野狐は、人を誑かしたりします。

天狐になると、千里の先の事を見通すとか。
いわゆる、千里眼ですね。
後は未来予知。
千里眼と聞くと、ラーメン店が頭に。

土地神という点を踏まえたら、美胡は空狐もしくは気狐辺りなのかなと解釈しています。

最後に

『わたたべ』9話は、汐莉と美胡の戦い、比名子の家族と美胡が交わした約束について描かれていました。

汐莉と美胡の戦いの行方はどうなるのか、比名子は汐莉と美胡のどちらを選択するのか。
今後の展開に目が離せません。

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