【感想・考察】『私の百合はお仕事です!』8巻~陽芽のTシャツに書かれていた一文について考える~

コンカフェを舞台に少女達がさまざまな顔を見せる様子を描いた『わたゆり』こと『私の百合はお仕事です!』。

今回は、『わたゆり』8巻の感想に加え、話をおさらいしていく中で気になった部分を何点か紹介します。


1.基本情報

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タイトル『私の百合はお仕事です!』8巻
作者未幡(@n28miman)
掲載誌コミック百合姫
出版社一迅社
収録話数37~41.5話
発売日2021年4月16日
ISBN-104758022429
ISBN-13978-4758022422
公式サイトhttps://watayuri-1jinsha.com/
ゆりひめピクシブhttps://comic.pixiv.net/works/4015
PVhttps://www.youtube.com/watch?v=XXaiSztdBqU
配信【ブックウォーカー】etc

『私の百合はお仕事です!』8巻の内容

『わたゆり』8巻は、美月と果乃子の誕生日会・リーベ女学園を辞めようとする陽芽と大好きな陽芽と姉妹を続けたい美月が話し合う様子・リーベ女学園のメンバーが合宿に行く話が収録されています。

全体を振り返ってみると、本音と建て前を上手く掘り下げている印象が強いです。

本音と本音がぶつかり合う瞬間、運命の歯車が動き出します。

『私の百合はお仕事です!』8巻の感想

コミック百合姫で37~41話を読んだ後、こうして単行本を手に取ってみると、1つ1つのエピソードが単純に強いですね。
それぞれの話の感想や見どころの紹介を過去の記事でも紹介しているので、興味のある方は一度チェックして頂けたらなと。

描き下ろしの41.5話も美月の可愛さが十分引き出されていて、短いながらも良回に仕上がっていたと思う。

あとがきでも興味深い話が紹介されており、こうして物語が作られていったんだなとしみじみ感じた自分がここにいる。

表紙に描かれている陽芽の手を握る美月が本当に尊い…
帯の「好きよ、陽芽。」が美月の魅力をさらに後押ししている。

陽芽が美月と離れたくないと言って、リーベ女学園を辞めずに済むところを見ると、雨降って地固まるといった感覚を覚えた。
40話・41話の「All's well that ends well」がジワる…
『終わり良ければ全て良し』ですかぁ…

もう一度見てみると、気になる部分がちらほらと出てきて、いろいろ考えるきっかけになって良かったですね。

『わたゆり』8巻は陽芽と美月が本音を言い合う関係としての第一歩を歩み始めた様子が収録されている巻。
陽芽と美月が本音でぶつかり合うシーンはもちろん、陽芽達の入浴シーン、純加が果乃子を完全に意識する瞬間と見どころ満載の1冊に仕上がっていたと思う。

陽芽のTシャツに書かれていた一文

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『わたゆり』40話・41話で陽芽が「All's well that ends well」の文字が書かれていたTシャツを着ています。

「All's well that ends well」の意味は、『終わり良ければ全て良し』

『終わり良ければ全て良し』は、シェイクスピアの戯曲です。
期待していた相手とは別の人間にベッドの相手をさせるベッド・トリックが用いられているのが特徴的。
単なるハッピーエンドでは終わらないことから、問題劇と呼ばれています。

最も、陽芽がそのことを理解しているかどうかは謎ですが…

「All's well that ends well」の一文に引っ掛かったので、ここでは「all's well that ends well」についてもう少し考えてみることに。

考えた結果、「All's well that ends well」の一文は以下のことを表現しているのではないかと解釈しています。

  • 美月と本音で話し合える関係になったこと
  • 陽芽の現在の心境
  • 『わたゆり』というの物語の未来そして結末

陽芽がリーベ女学園を辞めるという最大の危機を乗り越え、陽芽が美月と本音で語り合える関係になったことを表している一文と言われたら、しっくり来る方も多いのかなと。
また、陽芽が美月と一緒に居続けることができて一安心している様子を表すのにふさわしい一文と言えます。

終わり良ければ全て良しと感じているのは、陽芽だけでなく、純加や舞も感じているのでしょう。

後は、これからの『わたゆり』の未来そして結末を表しているのかなと。

ハッピーエンドで万歳となるのはまだ早いと言ったところでしょう。
陽芽達には、まだまだ大きな試練が残っています。
陽芽と美月が本音で語り合える関係になったばかり。
陽芽のできないをどうできるに変換できるかが今後の課題になってきます。

他にも、以下のものが陽芽達に立ちはだかってくるのではないかなと。

  • 純加の果乃子に対する想い
  • かつてリーベ女学園を去った葉子
  • 陽芽達の正体を探ろうとする者

純加の果乃子に対する想いが大きければ大きくなる程、陽芽達の関係がさらに複雑なものになり、リーベ女学園にも影響を与えることが考えられます。
果乃子が純加の想いにどう答えるかが見どころになってきそうです。

純加から寧々を奪った葉子も再登場する可能性を大いに秘めており、再登場した際はリーベ女学園に大きなダメージを与えることでしょう。
リーベ女学園で出すはずだったメニューがどこかのお店でなんてことも。
純加や美月、果乃子と葉子に隙を突かれやすそうな子が何人もいる点も気になりますね。
葉子が動いた際、寧々が葉子にどう動くかも気になるところです。

葉子が純加から寧々を奪い取った様子は、まさしくベッド・トリック。
もしかしたら、純加が恋愛禁止のルールを突破していたら、葉子が寧々を奪うという結末を回避していた可能性もゼロでは無いのかなと。
そうなった場合、美月がリーベ女学園でバイトを始めたかどうか分からないですが…

陽芽のソトヅラをはじめ、各キャラクターの見せるいくつもの顔・いくつもの組み合わせが物語をより複雑に・より奥深くしているような気がします。

リーベ女学園は、葉子が抜けた時に比べ、態勢が整ってきています。
舞がさらにリーベ女学園を発展させようとすると、陽芽達の正体を探る者達も現れそうです。
もうすでに現れているのかもしれませんが…

陽芽と美月の物語は、ハッピーエンドあるいはトゥルーエンドでめでたしめでたしというのはまだ早いですね。
いずれにしても、陽芽は美月から逃れられないということでしょう。

『ラプンツェル』といい、『終わり良ければ全て良し』といい、一筋縄ではいかない恋物語に関する作品を活かしていますね。
『わたゆり』も一筋縄ではいかない恋物語や繊細な心理描写といろいろ考えることが多く、それが面白さになって跳ね返っているわけですが。

スマホの充電で感じる百合

合宿で陽芽と美月がスマホの充電をする際、同じコンセントを使っていました。

つまり、スマホで表現する陽芽と美月の百合。
同じコンセントを使い、バッテリーを充電していく様子は陽芽と美月が愛情やエネルギーを補給する様子に置き換えられなくも…

スマホを使った演出といえば、『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』11話が印象的です。
歩夢が侑を押し倒した際、お互いのスマホが重なり合うシーンが描かれていました。

スマホで表現する百合…
尊いですね。

最後に

『わたゆり』8巻は、ひとつの章が終わり、新章に突入した感じの一冊に仕上がっています。

少しでも参考になれば幸いです。
まだ買っていない方は手に取ってみるかどうか一度検討してください!

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