【感想・考察】『お菊さんはいちゃ憑きたい』1話~ちり先生のオカルト百合始めました~

前略、ちり先生のオカルト百合始めました、どこかの道の上より

『お菊さんはいちゃ憑きたい』1話の感想に加え、話のポイントをいくつか紹介します。
作品に触れるきっかけになれば幸いです。


基本情報

タイトル『お菊さんはいちゃ憑きたい』1話
サブタイトルお菊さんはいちゃ憑きたい
作者結野ちり(@yuinochiri04)
掲載誌コミックウォーカー・ニコニコ静画
出版社KADOKAWA
配信日2021年7月18日
コミックウォーカーhttps://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_CW01202378010000_68
ニコニコ静画https://www.tugikuru.jp/novel/content?id=35771

『お菊さんはいちゃ憑きたい』1話の内容

現代最強の美少女祓い屋・聖 涼世(ひじり りょうよ)が三大幽霊の一角であるお菊とバディを組み、イチャイチャする様子を描いた百合漫画。

涼世は、お菊を成仏させるため、並み居る悪霊達に立ち向かうことに。
一方、お菊も涼世と一緒にいるため、その力を十二分に発揮します。

1話は、涼世とお菊の出会い、ひと仕事が収録されていました。

作者は、コミック百合姫で『スカーレット』を連載していた結野ちり先生。

『お菊さんはいちゃ憑きたい』1話の感想

まずは、この言葉を送りたい。

ちり先生、おかえりなさい。

アンソロでちり先生の百合漫画を読む機会は何度かあったけど、連載作品という面で見たら『スカーレット』以来だ。

こうしてちり先生の百合漫画を楽しめるというのは幸せなこと。
1話目から濃厚な百合が堪能できて、本当に満足ですね。

涼世とお菊はどっちも可愛く、尊い。

考察し甲斐のある要素も散りばめられていて、何度も読みたくなる。

『スカーレット』のフィーネとアイリスの2人を思い出す。
甘い百合に思わずゾッとする視線。
ちり先生の百合に安心感を覚えますね。

ありかなしのどっちかと聞かれたら、ありと答える。

濃い目の百合・物語の丁度良い複雑さ・作画の良さの三拍子揃った良い百合漫画だ。

暑さとか吹っ飛びましたね。

『お菊さんはいちゃ憑きたい』の主要キャラクター

『お菊さんはいちゃ憑きたい』の主要キャラクターを整理していこうかなと。

作品の主要キャラクターである涼世とお菊について一度簡単にまとめていきます。

聖 涼世

涼世は、現代最強の美少女祓い屋として悪霊と戦う美しい女性。
巫女装束を身に纏い、御幣(ごへい)を振るいます。
御幣は、神道の祭事に捧げる道具。
『東方Project』の霊夢とか『サムライスピリッツ』シリーズに出てくる羅将神ミヅキの武器を思い浮かべる方も多いのかなと。

『スカーレット』におけるフィーネのポジション。

同業者から疎まれ、一般人からは避けられる何とも言えない感じに。
そんなぼっちだった涼世にお菊という頼もしい女の子がパートナーができます。

目標は、お菊を成仏させること。

また、超超悪霊退散(スーパーウルトラあくりょうたいさん)と『大魔法峠』を彷彿させるネーミングセンスの持ち主でもあります。

※『大魔法峠』
魔法の国のプリンセスである田中ぷにえが修行のために地上の学校に転入し、さまざまな活躍を繰り広げる作品。
プリンセス脇固めやプリンセスチョークスリーパー、プリンセスアキレス腱固めなど、個性溢れる必殺技が登場する。
「リリカル・トカレフ・キルゼムオール」・「打撃系など花拳繍腿(かけんしゅうたい)、関節技(サブミッション)こそ王者の技よ」といった名言も飛び出すのも特徴的。

お菊

お菊は、三大幽霊の一角。
涼世の可愛さに惹かれ、いちゃいちゃします。

『スカーレット』におけるアイリスのポジション。

かつて、江戸時代のとある使用人だった女の子です。
皿を割った罪で身投げしたとか。

数えた分だけモノを消せる固有呪法と涼世の強力な一撃を凌げる防御力を誇ります。
涼世に手を出そうとするものをぶっ飛ばします。
生前もとある女性に憧れている様子が描かれていたのも特徴のひとつ。

割った皿を直すなど、優しい一面も見せます。

番町皿屋敷

番町皿屋敷は、1話で触れられた怪談。
江戸時代、お菊という屋敷の美しい娘が皿を割った罪で井戸に身投げし、その未練から幽霊となって屋敷の住人達を震え上がらせたとか。
皿が10枚あるかどうかを数え、9枚目まで数え終わるの聞くと祟られるそうな。
お菊の技も番町皿屋敷になぞらえているのが分かります。
1話では、9枚目で悪霊が消滅しましたが、10枚目ないし18枚数え終わると一体どんなことが起きるのか気になるところ。
もし、18枚目を数えるとしたら、余程の強敵か最後の敵に使いそうですね。
大抵の相手は5枚目や6枚目の段階で倒せそうな気が。

9枚目で皿が割れたのも9枚目まで数え終わるの聞くと祟られるのを表現しているのに加え、攻撃の代償的な側面もあるのかなと。

悪霊を消すだけでなく、周囲に影響を与える程、お菊の力が強いのが分かります。

日本全国に皿屋敷に関する話が伝わっています。

四谷怪談・牡丹灯籠と並んで有名な怪談話ですね。
階段とか心霊とかに興味ある方は、番町皿屋敷もご存知なのかなと。
上方落語の演目になっていることでも知られています。

上方落語を題材にした百合漫画『うちの師匠はしっぽがない』7話にも皿屋敷を題材にした話が登場します。
自分は、番町皿屋敷の解説を見て、『うちの師匠はしっぽがない』が浮かびましたね。
『うちの師匠はしっぽがない』も面白い百合漫画のひとつなので、まだ読んでいない方は一度チェックして頂けると幸いです。

姫路城にお菊井戸なる井戸があるとのこと。
1話に出てきた井戸の見た目から察するに、お菊が出てきた井戸は姫路城のお菊井戸でしょう。
柵が八芒星になっているのも特徴に挙げられます。
八芒星は、神器などに用いられる図形としても知られています。
八卦図がその一例。
風水に用いられるやつですね。
乾(けん)・兌(だ)・離(り)・震(しん)・巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)の8つの図からなり、方角や五行を表しているとか。
『陰陽大戦記』と呼ばれる作品でも乾や兌といった言葉が出てきますね。
闘神機と呼ばれるアイテムを八卦の方向に動かし、式神と呼ばれる存在に攻撃などの指示を伝える際に用いられました。
要は魔法の杖を使って呪文を唱えるような感じですね。

後、八角形は再生や無限の循環などを象徴する図形だそうな。
八と聞くと、ヤマタノオロチとか転生などを題材にした『神無月の巫女』とかが頭に。
蛇は永遠の命を意味しているのに加え、不老不死や再生の象徴とされるウロボロスという蛇の化け物とかいろいろ連想できそうです。

ちなみに、涼世はお菊が仕えていたお嬢様の子孫や転生した姿なんじゃないかといった妄想も。
そう考えたら、お菊が惚れるのも分からなくはない気が。
偶然じゃなく運命だと言われたら、しっくり来ます。

涼世の真意

涼世は、お菊を救うため、成仏するまで側にいると言っていました。

成仏したら、涼世はまた1人ぼっちになるのを考えたら、成仏を望むのか疑問。
現世に留まらせてずっと一緒にいるもしくは『神無月の巫女』のように転生して一緒になるとか一緒にいる方法はいろいろ浮かびます。

お菊が仕えていたお嬢様もお菊に惚れていたとしたら、それはそれで。

お菊の目を見る限り、涼世に会えるのをずっと待っていた感も無きにしも。

『お菊さんはいちゃ憑きたい』のゴールについて考える

『お菊さんはいちゃ憑きたい』の着地点についてもちょっと考えることに。

涼世とお菊が最後に戦う相手は一体誰かが疑問に浮かびました。
成仏するしないの選択を取れるようにするためには、お菊を追い込んだ相手と決着をつけることが大事な気が。

作品におけるラスボスがいるとするなら、お菊を追い込んだ相手が真っ先に浮かびました。
依頼に応えつつ、番町皿屋敷の謎を同時に追っていくのかなと。

無くなったとされる1枚の皿を見つける的な。

後は、涼世自身のルーツを追っていくとか。

涼世が他の霊媒師に避けられていたのは涼世の振舞いだけなのかも疑問です。

涼世の家族構成や家系図、ご先祖様は何をやっていたかがポイントになってきます。

最後に

『お菊さんはいちゃ憑きたい』は、濃厚な百合が見れるし、読めば読む程、その奥深さを実感できるとてもいい作品ですね。

ちり先生のドデカいサプライズ、最高としか言いようがありません。
2話も本当に楽しみ。

ちり先生の『スカーレット』、面白いので良かったら一度チェックしてください。

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