【感想】うちの師匠はしっぽがない落語会~お囃子の世界編~

2021年10月12日に開催された『しっぽな落語会』。
お囃子の世界というタイトルを掲げてあるように、楽器を活かした演出が特徴的でした。

今回は、2021年10月12日の『しっぽな落語会』についていろいろ語っていこうと思います。


番組

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2021年10月12日の『しっぽな落語会』の番組は以下の通り。

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お囃子の世界とあるように、下座とのやり取りが光る公演だったと思いますね。

落語解説・お囃子紹介

最初は、落語とお囃子についての解説。

丁寧な解説が行われており、上方落語や『しっぽな』の世界により興味を持てる内容だったと思う。

観客との掛け合いを大事にしているのかなと強く感じた。
ちなみに、三味線の話が出てきた際、『しっぽな』2巻8話のことを思い出したりしましたね。
特注品だったことを踏まえると、お松と作次郎が焦るのも分かる。

後、雪が降る音をハメモノで上手く表現していたのも凄かったですね。

狸賽

『しっぽな』といえば、まめだ。
まめだといえば、狸。
ということで狸が活躍する噺からスタート。

男と狸の掛け合いに力が入っていたのが印象的だった。
そして、最後のオチも単純に面白かったですね。

策士、策に溺れるとはこのことかと。
慣れないイカサマはするもんじゃないということか。

もしくは、狸で化かすつもりが自分も化かされたと言った方が良いのかもしれない。

「狸賽」は『しっぽな』本編では登場していなかったものの、この噺を選んだ福亭呂翔氏は『しっぽな』をリスペクトしていたと思う。
そう感じた理由は、

  • 狸が登場していたこと
  • 『しっぽな』4巻にも登場した「看板の一」と同様にサイコロを題材にした噺を行ったこと
  • 『しっぽな』の主要キャラの1人である天神ちゃんが登場していたこと

『しっぽな』を語る上で欠かせない要素をいくつも落とし込んだと言っても過言ではない「狸賽」を用意するところは凄いなの一言に尽きる。

天神ちゃんは、天神祭や地獄八景亡者戯のエピソードにおけるキーパーソン。
そして、翌日の『しっぽな落語会』に繋げるところは、粋と言って良いでしょう。

皿屋敷

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お菊さんを見事に演じ切っていたと思う。
おどろおどろしい感じや面白おかしく化かす感じが良かったですね。

最後のオチもそうだけど、最初の掴みで笑いに持って行くところも凄いと感じた。

『しっぽな』にもお菊さんが登場するわけですが、作中で重要な役割を果たしていましたね。
お菊さんのエピソードでは、まめだと文狐師匠の絆の強さを実感することができる。
高座でお菊さんが活き活きとしていたような気も。

ちなみに、6巻でもお菊さんは大活躍。
現世に留まるきっかけを与えてくれたまめだのために周囲の人達を化かしていました。

皿屋敷で思い出しましたが、結野ちり先生という漫画家さんが番町皿屋敷を題材にした『お菊さんはいちゃ憑きたい』という漫画を描いていますね。

興味のある方はチェックして頂けたらなと。

リンク:https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_CW01202378010000_68

感想:http://antaressmangakanso.iiblog.jp/article/482519659.html?1634082652

稲荷俥

『しっぽな』といえば、狸だけでなく文狐師匠。
つまり、狐も外せません。

俥屋と狐になりすまして俥屋を騙したとある男が活躍する「稲荷俥」。

宴会の華やかな感じや俥屋と俥屋を騙した男の面白おかしいやりとりがたまらなかった。
狐につままれたのは、俥屋を騙した男といったところだろうか。

ちなみに、俥屋は150円を手にしましたが、どのくらい大金なのか実感できていない方も多いのではないでしょうか?
大正10年における大卒の初任給は約50円。
およそ、給料3ヶ月分ですね。

参考資料は、大正時代を舞台にした『紡ぐ乙女と大正の月』の2巻。

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こちらも面白い作品なので、興味のある方はチェックしてください。

『紡ぐ乙女と大正の月』について触れている記事のリンクも下に貼っておきます。

1巻:http://antaressmangakanso.iiblog.jp/article/479319696.html?1634102889

2巻:http://antaressmangakanso.iiblog.jp/article/483142901.html?1634102890

辻占茶屋

噺家と下座との掛け合いが絶妙で自分もその場に居合わせているような感覚を覚えた。
源やんと梅乃の化かし合いが痛快でしたね。

ちなみに、『しっぽな』8話は、まめだ・文狐師匠・小糸の掛け合いが光る回。
まめだのいろいろな一面が見れて、楽しい回でもありました。

また、『しっぽな』8話で左衛門狸のことが触れられていましたが、それが後に大きな意味をもたらすとは…

それにしても、「辻占茶屋」がラストというのは、本当に粋としか言いようがないですね。

最後に

今回も『しっぽな落語会』を楽しませて頂いたわけですが、どれも面白かった。

作品をリスペクトしているのが十分伝わって来て、『しっぽな落語会』という名に偽りなしだったと思う。
今後もこういった機会を大事にしていきたいところ。

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