ついにこの日がやってきた。
『今日はカノジョがいないから』1巻の感想と魅力について語っていきます。
作品に触れるきっかけになれば幸いです。
基本情報
タイトル | 『今日はカノジョがいないから』1巻 |
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作者 | 岩見樹代子(@okome103) |
掲載誌 | コミック百合姫 |
出版社 | 一迅社 |
収録話数 | 1~5話・描き下ろし |
発売日 | 2021年12月18日 |
魅力 |
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ISBN-10 | 4758023395 |
ISBN-13 | 978-4758023399 |
『今日はカノジョがいないから』1巻の内容
女子高生の朝比奈ゆに(あさひなゆに)は、夏目七瀬(なつめななせ)という彼女がいるにも関わらず、クラスメイトの瀧風羽子(たきふうこ)と浮気し、階段を徐々に踏み外していく様子を描いた百合漫画。
誰にも相談できないゆには、風羽子によって深みにはまっていく。
3人の繊細かつ複雑な想いが絡み合う。
1~5話に加え、作品をより楽しむための描き下ろしエピソードが収録されています。
1~5話の細かな内容は、各回の感想をチェックしてください。
『今日はカノジョがいないから』1巻の感想
単行本の発売を楽しみにしていたので、手に取った瞬間、嬉しいの一言でしたね。
何度読んでも、ゾクゾクさせられる。
ゆに達の三角関係は、たまらない…
ゆにが風羽子に塗りつぶされていく様子は、読み手の心をガッチリ掴んでくる。
ゆにと七瀬の恋模様も良いけど、ゆにと風羽子の濃厚な百合も強力。
白雪姫や冬虫夏草の特性、侵略者、禁断の果実、承認欲求といった要素をゆに達の三角関係の中に落とし込み、より重厚な物語を作り上げている。
作中、登場する小物や背景、吹き出しの活かし方も秀逸でゆに達の百合をより魅力的なものにしている点もおすすめできるポイントだ。
吹き出しの色を白→グレー→黒といった具合に変え、キャラクターのドス黒い一面を徐々に見せてくるところは『今日はカノジョがいないから』の強み。
色の使い方をしっかり押さえている。
三角関係や浮気、寝取られ、緻密なギミックが満載な物語が好きといった方におすすめな百合漫画だと思う。
堕ちる理由も分からず、堕ちていくゆにの姿をその目で確かめて欲しい。
『ルミナス=ブルー』のDNAを受け継いで
『今日はカノジョがいないから』は、岩見先生の前作・『ルミナス=ブルー』のDNAを受け継いだ作品だと解釈しています。
そう感じた理由は、以下の2つ。
- 複雑な人間関係を描いている点
- カメラを活かした演出の数々
何と言っても、複雑な人間関係を描く点は、『ルミナス=ブルー』と共通しています。
『ルミナス=ブルー』の場合、四角関係でしたね。
三角関係もしくは四角関係をより複雑に、より濃厚に、より緻密に描く点は、岩見先生の凄さ。
『ルミナス=ブルー』では、カメラを活かした演出が印象的でした。
被写体を魅せる点も岩見先生の凄いところだと思います。
『今日はカノジョがいないから』でもカメラを活かした演出が登場します。
スマホのカメラを活かした描写がいくつも登場します。
写真のゆに達は、とても魅力的。
どうすれば、被写体を綺麗に魅せられるのか。
そこを意識しているのではないかと解釈しています。
浮気や寝取られを題材にした物語にカメラと岩見先生の好きが詰め込まれているのが分かります。
しかも、カメラの要素にSNSの特性を取り入れることで話に厚みを持たせているのもポイントです。
メロンブックスの特典のリーフレットは、作品のテーマや要素を活かしています。
ゆにが大好きな人達に愛されているのを皆に見て欲しい・自慢したい・良いなと言って欲しいといった感じが。
ちなみに、裏はこんな感じ。
迫られている感じがゾクゾクさせられますね。
SNSの投稿を持ってくるところが作品の雰囲気とマッチしています。
誰かに求められたいという点は、『ルミナス=ブルー』と通ずるような気も。
前作の要素を踏襲しつつも、新しい世界を見せる点は単純に凄いの一言です。
帯もヤバいんだが
帯も凄いんですよね。
ピンクがゆに、白が風羽子のセリフでしょう。
表紙のゆにと風羽子は、一体誰を見ているのか。
読者あるいは書店や通販サイトで作品の存在を目にした誰かに語り掛けているのかもしれない。
表紙のゆにと風羽子の濃厚な百合にやられた方は、作品の沼にハマりましょう。
帯が黒なのは、人には言えない事実・言葉というのを表しているのかなと。
帯の裏に堕ちる理由が分からずと書かれていますが、本当は堕ちる理由に気付いているような。
ゆに、いっそ七瀬も風羽子も自分のものにしてしまおうよと感じたのはここだけの話。
多分、2人の内、どっちか1人なんて選べないと思う。
最後に
『今日はカノジョがいないから』は、三角関係・浮気・寝取られ・カメラ・承認欲求の要素をひとつの物語に落とし込んだ秀逸な百合漫画。
ゆに達の濃度120%の百合に加え、重厚かつ奥深いストーリーは、読み応え十分です。
2巻の発売が待ち遠しい。
前作の『ルミナス=ブルー』も面白いので、是非是非チェックしてください。
この記事へのコメント
あああああ
どんな最後になるか気になりますが終わって欲しくないずっと続いて欲しいという複雑な感情になりました
お気に入りキャラは風子ちゃんなので彼女が幸せなラストになると嬉しいです
風子ちゃんは一人称が「私」と「風子」の時がありますがどう使い分けているんですかね
感情が高ぶった時「楓子」になるのかな?と思いましたが冷静そうな場面でも「楓子」を使っている場面もありますしアンタレスさんはどう考えていますか?
アンタレス
コメントありがとうございます。
風羽子が幸せなラストになると良いなと私も感じています。
確かに、一人称が「私」と「風羽子」の時がありますね。
感情が高ぶった時や場面転換の時、風羽子のペースになっている時などに一人称が「風羽子」になっているなと感じます。
場面ごとにより印象的になるように一人称を使い分けている印象があります。
上手く説明できず、申し訳ないです。
>
>『ロンリーガールに逆らえない』6巻通常版発売記念のイラストカードの記事やXでおすすめしていたので『今日はカノジョがいないから』読み始めました
>どんな最後になるか気になりますが終わって欲しくないずっと続いて欲しいという複雑な感情になりました
>お気に入りキャラは風子ちゃんなので彼女が幸せなラストになると嬉しいです
>
>風子ちゃんは一人称が「私」と「風子」の時がありますがどう使い分けているんですかね
>感情が高ぶった時「楓子」になるのかな?と思いましたが冷静そうな場面でも「楓子」を使っている場面もありますしアンタレスさんはどう考えていますか?