【感想・考察】『最果てのともだち』9話~希望を求めて~

『最果てのともだち』9話の感想と考察を紹介します。

作品をおさらいしたり、触れるきっかけになれば幸いです。


基本情報

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タイトル『最果てのともだち』9話
サブタイトル慟哭のよる
作者雪宮ありさ(@yukimiya_7sb
掲載誌まんがタイムきららフォワード2022年2月号
出版社芳文社
発売日2021年12月24日
魅力
  • アサヒにとってキヨが大きな存在だということを実感できる点
  • 残酷な現実をしっかり描いている点
  • アサヒの心理描写を丁寧に描いている点
ISBN4910082710222

『最果てのともだち』9話の内容

林間学校に行くことになったアサヒ。

アサヒに待ち受けていたのは、あの手この手の嫌がらせだった。
アサヒの辛さはピークに達し、キヨと先生と一緒になるため、幽霊になることを決意。

林間学校の夜にアサヒの慟哭が鳴り響く。

『最果てのともだち』9話の感想

8話の希望に満ちた回は一体何だったのか…

まさか、アサヒがいじめに耐えられず、キヨと先生と一緒になるために幽霊になれば良いんだと決意するなんて…

毎度、毎度、驚かされますね。

次の話が読みたいという気持ちを上手い具合に刺激してくる。

キヨも先生もユウもアサヒのためにいろいろアドバイスを送っているんですけどねぇ。

気持ちを伝えることで何か変わるかもしれないというアドバイスは、とても素晴らしいとは思うんだけど、伝えても変わらない現実があることを実感させられる。

「伝える」とか「分かり合う」ってホントに難しいですよね。

分かり合える人間を見つけるのは、本当に難しい。
大人になっても、誰かと分かり合うのは大変だ。
9話を読んでいると、3話のアサヒのお母さんのセリフや4話の保健の先生のセリフを思い出す。

アサヒのお母さんも保健の先生も人間関係に苦労しているんだろうな。
身内でも気持ちを伝えたり、分かり合うのが想像以上に難しいのに、身内以外の人と分かり合うとかもっと大変。
ミホとかズバリそれだ。

ミホ達はアサヒと会話なんてする気がないんだから、伝える以前の問題だと思う。

自分がアサヒの立場なら、ミホ達のような人間と仲良くなれるか・分かり合えるかと聞かれたら、できるか!!と迷うことなく返す。

ラストの怒涛の展開に只々驚かされる回だった。

『最果てのともだち』9話の核

『最果てのともだち』9話のポイントをいくつか触れていこうかなと思います。

話をおさらいしたい方は、一度参考にしてください。

人間も幽霊も寄り付かないアサヒ

シロツメクサの栞を大事そうに持っていたアサヒに人間はもちろん、幽霊も寄り付いていませんでした。

ミホ達から拒否されているだけでなく、幽霊達からも拒否されているのが分かります。
キヨと先生は別として、幽霊になっても居場所を作るのに苦労しそうですね。

廃校でキヨと先生の2人だけだったのは、他の幽霊達がキヨと先生を拒絶していたからなのかなと。
作品に使われている最果てとは、人間はもちろん幽霊達からも拒絶され続け、最後に行き着いた場所という意味があるのでしょう。

アサヒに救いの手を差し伸べるユウ

アサヒがミホ達に昼食の後片付けを押し付けられていた時、ユウが手伝っていたのは見どころのひとつ。

伝えないと何も変わらないと先生と同様のアドバイスをアサヒに送っていました。

ユウとのやり取りから先生がアサヒにアドバイスを送るシーンに転換していくところは、上手いなと感じたところですね。
風を使って、場面転換を行っていたのが印象的。

アドバイス自体は間違っていないと思いますが、今回の場合は効果的ではなかったと。
では、どうすれば良かったのか。
アサヒの隣にいることだと思います。
それだけ、気にかかるなら、どうしてそばにいなかったのかという疑問でいっぱいです。

ちなみに、昼食の後片付けについてアサヒの担任が指摘しても、ミホ達はアサヒが自分でやっておくからと言っていたとでも言うのでしょう。
それを聞いて、言及するのを辞めると。
アサヒのお母さんの様子を見る限り、アサヒの担任はミホ達のいじめについて全く報告していないのが分かります。

先生の教え

先生もアサヒに自分の気持ちを誰かに伝えることが大事とアドバイスを送っていました。
教師は子供達に「伝える」仕事だと言っていたのも印象的です。

先生が互いに伝え合わないと、相手を知ることもできず、分かり合えないと言っていました。
何かを伝えることで買えられることがあるかもしれないと。

アサヒがミホ達に自分の気持ちを伝えようとした結果、残酷な回答がまっていましたね…
いじめを行っているミホ達は、伝え合おうともしない・相手を知ろうともしない・分かり合う気なんてないといった感じがします。

隔絶されたアサヒ

ミホ達がアサヒを部屋に入れないという嫌がらせを行っていました。

部屋に入れてくれと言ったら、アサヒの居場所はないから消えろという最低な言葉を投げかけていましたね。
伝え合った結果がこれかと。

アサヒの担任に言ったらひどい目に遭うぞ的なことをミホは発していましたが、アサヒが見えなくなるのを確認したらカギを開けて、そんなことしてないとでも言うのでしょう。

拒絶されたアサヒの姿を見ていると、やりきれない想いでいっぱいになりそうですね。

アサヒが先生に慰められているシーンでヒビの入った窓ガラスが描かれていましたが、アサヒの心はずっと前から限界寸前に達していたことを表現していたのかなと。

遠足の時みたいに保健の先生と一緒の部屋に寝るみたいな対策を取っても、揉めるのが目に見えそう。

アサヒの選択

限界に達したアサヒは、キヨと先生と一緒にいたいという気持ちが大きくなり、幽霊になることを決意。

早く消えろと言われ、死を選ぶのはミホ達の思うツボな感じがします。

何より、キヨと先生はそれを望んでいるのかという疑問が。

キヨと先生は、この世にいないと言っていましたが、半分正解で半分間違いだと解釈しています。
理由は、キヨと先生は現世に留まっているから。
現世に留まっていると考えたら、この世にいると捉えられるのではないかなと。

それに、幽霊になったとしても、キヨと先生と一緒にいられるとは限りません。

そういったことも考えられないくらい、アサヒは追い詰められていたわけで…

アサヒが窓から飛び降りようとするシーンで窓の向こう側を真っ白に描いていたのも印象的です。
真っ白に描くことでアサヒの居場所があるかもしれないと感じさせていたのかなと。
ラストに描かれていた窓がこの世とあの世の境目といったところでしょう。

アサヒが真っ暗な廊下を歩くシーンは、アサヒが光を求めて暗闇を彷徨っている様子を表現しているのではないかと解釈しています。
ミホ達のいる部屋の光は、アサヒには眩し過ぎたと…

最後に

『最果てのともだち』9話は、アサヒの林間学校を描いた回です。

キヨ達のアドバイスもむなしく、ミホ達のいじめで限界に達したアサヒは幽霊になることを決意。

10話では、一体どんな展開が待っているのか。
早く続きが読みたいですね。

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