『きもちわるいから君がすき』5話を読んで、相も変わらずいろいろな意味でヤバかったと感じたので、感想と作中の演出について語っていきます。
基本情報
タイトル | 『きもちわるいから君がすき』5話 |
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作者 | 西畑けい(@nishihatak) |
掲載誌 | まんがタイムきらら2022年5月号 |
編集部のTwitterアカウント | @mangatimekirara |
出版社 | 芳文社 |
発売日 | 2022年4月7日 |
ISBN | 4910083450523 |
サイズ | B5 |
『きもちわるいから君がすき』5話の内容
『きもちわるいから君がすき』5話は、司の傷を撫でたハンカチの匂いを嗅いでいた依子とその様子を見ていた透が教室で会話する様子が描かれていました。
自分のことをよく見ていた依子に透は、心を射抜かれる…
『きもちわるいから君がすき』5話の感想
連載決定と個性溢れるキャラが登場したのも相まってか、ヤバさのボルテージが上がっていた気がする。
依子の司愛と透のいろいろな意味での甘さとチョロさも印象的だ。
依子が透に耳障りの良い言葉の数々をかけて透の心をガッチリ掴む様子は只々、ヤバい。
透、騙されやすそう…(体育の先生に一生守ってもらおうと声を大にして言いたい
司・依子・透のいる教室で今後どのようなやり取りが行われるのか楽しみで仕方ないですね。
文句なしに面白かった。
『きもちわるいから君がすき』5話を掘り下げる
『きもちわるいから君がすき』5話をもう少し深掘りしていこうかなと思います。
今回の話で特に印象的だったのが、以下の7点。
- 自分の席で悶々とする透
- 〇Tフィールドならぬ依子フィールド
- 絆創膏貼ってもらった記念日に
- 依子を見守る透
- 自分語りの依子
- 透の心を射抜く依子
- 司が戻ってきたので
ここでは、上記のポイントについて触れていくので、話をおさらいする上で参考になれば幸いです。
自分の席で悶々とする透
透の隣の席にいるのは、何と依子。
ハンカチの匂いを嗅いでいたことについて考え、悶々としていたのが印象的です。
話す相手いないから大丈夫だろうという考えが甘々の甘だということに気付くのもそう遠くはなかった…
どのくらい甘いかと言ったら、『HUNTER×HUNTER』でキルアを見張っていたイモリ並みの甘さ。
百合で例えるなら、『ラブライブ!スーパースター!!』9話で予選突破できるだろうと言ったかのんちゃんやちぃちゃん並みの甘さ。
〇Tフィールドならぬ依子フィールド
教室でジャージから制服に着替えようとする司に驚かされましたね…
周囲の目!周囲の目!!と言いたくなった人は一体どのくらいいたのか。
そんな司のために自ら壁になる依子が尊い。
依子フィールドと新しい単語が出ていたのも印象的です。
司の着替えや素肌を見て良いのは、自分だけと言っているような感じも。
最も、司の着替えや素肌を直視できないわけですが…
絆創膏貼ってもらった記念日に
司が依子に絆創膏を貼ってもらったのを記念して、ケーキ買っていかないと言ったシーンも見どころのひとつ。
焦る司が可愛いです。
そんな司のヤバさを依子が上書きしていくと。
「落ち着いた感じで何言ってるの???」と感じた人も多いかもしれません。
司の誕生日や血液型、母親の誕生日すら把握しているという。
テストは、微妙な結果だったのに。
学校のテストは3点を記録したとしても、司のことなら満点取るぞ!という感じか。
司の誕生日は、8月19日しし座のA型。
司の生誕祭をいつ行えば良いかが分かるように。
熱いファンのイラスト待ってるでと言いたいですね。
誕生日や血液型が分かるということは、一通りの身辺調査を行っているのでしょう。
一歩間違えれば、自分のきもちわるい一面がバレるかもしれないというギリギリの状況は、見応え十分です。
『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』よろしくの恋愛頭脳戦だなと感じたのはここだけの話。
依子を見守る透
透の視点で話が進むのが特徴的。
そのひとつが依子が司が使った紙コップをゴミ箱から拾い、コレクションに加える様子を司が目撃するシーンです。
多くの人が透と同じ反応をしていたと思います。
自分の予想は、間違っていなかったと舞い上がっていたのも印象的です。
自分語りの依子
依子は、自分のことを見ていた透にロックオン。
透を見ていた依子の眼が怖い、怖い。
ゴーゴンの眼並みの威力があったような…
『ポケモン』でくろいまなざしを喰らったポケモンって透みたいな感じになるのかなとか感じた自分がここにいます。
透が怯えているのをお構いなしに自分語りしていく依子が只々ヤバい。
求めてないから!!と透は心の中で感じていた気がします。
司に紙コップをゴミ箱から拾っていたことを知ったらどうなるのかと聞かれて、サラッと避けられるんじゃないかと言うのもヤバい。
嫌悪感と失望が半々って怖さ半分・恐ろしさ半分と言っているようなものです。
サラッと言うことで透により一層の恐怖を与えていたのが印象に残ります。
「止めてくれ!言わないで!!」と言うと思ったのでしょう。
人によっては、「だから、透は甘々の甘なのだ!!」と感じたかもしれません。
司が使った紙コップの縁を指でつーっとなぞっている依子から司に対する想いとヤバさがビシビシと伝わってきます。
まるで、司を可愛がっているかのよう。
後、透は依子に生殺与奪の権を握られているんじゃないかと感じなくもですね…
紙コップの縁をなぞる時の音は、一体どんなメロディーだったのか気になるところ。
少なくとも、透に恐怖を与えていたことは確かです。
透の心を射抜く依子
依子に自分のことを気を遣って欲しくないと声を絞り出した透ですが、そんな透の一歩も二歩も先を行っていた依子。
透の欲しい言葉を次々と並べ、透の心をガッチリと掴むシーンは、依子のヤバさを引き立てていたと思います。
休み時間に何をしていたか・1人でいたかったことを。
透の過去を回想するシーンで黒いモヤみたいなのが描かれていましたが、透の暗い過去と同時に依子のきもちわるい一面を表していたのかなと。
「友達は尊い」という耳障りの良い一般論よりも自分はどうありたいかですよねという依子の言葉は、透の欲しかったものです。
その後の透は強い人・あなたを信じていたからという依子の言葉は、あまりにも耳障りが良く、きもちのわるい言葉としか言いようがありません。
そんな耳障りの良い言葉をつらつらと並べる依子に嬉しいと感じる透は、チョロ過ぎですね。
個人的には、「友達は尊い」よりも耳障りが良い様に見えました。
透、詐欺師に注意しないとダメだよ!と家族に言われていそうだなと。
透にライアーゲームやらせたら、すぐ負けそう…
逆に依子は勝ち抜いていきそう。
司の使ったスプーン・マフラー・紙コップ、司の髪の毛が入った藁人形、司の声が入ったスマートスピーカーと依子のきもちわるさを象徴する物を1コマに収めていたのも印象的です。
そのどれもが依子の想いと司の痕が残ったとてもきもちわるい物。
こんなヤバいのは、依子のコレクションか特級呪物ぐらいなものだと言いたくなります。
最も、透は、依子をまるで聖母を見るような目で見ていましたが…
依子に黒い影が差していたのは、透が想像している以上に綺麗な人じゃない・きもちわるい人だというのを強調しているのではないかと解釈しています。
その一方で透に光を差すことで透と依子は住む世界が違う。
司と依子の中に入れないというのを表しているような感覚を覚えます。
依子の目、笑っていなかったような…気のせいかな?
司が戻ってきたので
司が来たのを確認したら、透をポイする残酷な依子。
今までの耳障りの良い言葉は、どこに行ったんだ!とツッコみたくなります。
だからこそ、依子がきもちわるく、怖く映るのかなと。
まるで、透はもう用済みだと言っているかのようです。
透に影を落とすことで悲惨さだけでなく、孤独を表現していました。
最も、透や悲惨過ぎるという読み手のアフターフォローもバッチリだったわけですが。
別れ際、透をフルネームで呼ぶことで透のハートをガッチリ掴む依子。
いと恐ろしやとしか言いようがありません。
振り返って透に声をかける依子がとても美しかった。
最も、依子がドアを閉める時、どこか冷たい感じがしましたが。
司・依子と透の間には大きく分厚い壁があるのは確かです。
3話の屋上に向かうシーンを思い出します。
キャラクターの距離感や光と影を使った表現が本当に秀逸です。
最後の最後までチョロかったな透…
最後に
『きもちわるいから君がすき』5話は、透のチョロさ・依子の司に対する愛情ときもちわるさを描いた回。
依子の耳障りの良い言葉に心を掴まれる透が印象的です。
今後、一体どんな展開が待っているのか。
6話以降も目が離せないです。
コミックナタリーでも特集されていた
コミックナタリーでも『きもちわるいから君がすき』の連載に関する特集が組まれていました。
こうして、多くの方に知って頂く機会が増えるのではないかと考えたら、嬉しいの一言に尽きます。
コミックナタリー経由で新規の方が増えるのに期待です。
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