【感想・考察】『きもちわるいから君がすき』6話の雪だるま式に膨らむ気持ち悪さについて掘り下げる

『きもちわるいから君がすき』6話のゴキゲンな気持ち悪さにやられたので、感想と考察について語っていこうと思います。


基本情報

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タイトル『きもちわるいから君がすき』6話
作者西畑けい(@nishihatak)
掲載誌まんがタイムきらら2022年6月号
編集部のTwitterアカウント@mangatimekirara
出版社芳文社
発売日2022年5月9日
ISBN4910083450622
サイズB5

『きもちわるいから君がすき』6話の内容

『きもちわるいから君がすき』6話は、絆創膏記念日でケーキ屋に寄った司と依子が公園で雪合戦や雪だるま作りを楽しむ様子が描かれていました。

雪降りの微笑ましい青春…で終わるわけがなく、依子のゴキゲンな気持ち悪さが炸裂するのだった…

『きもちわるいから君がすき』6話の感想

雪だるま式に増えていく気持ち悪さが良いねぇと言いたくなる。

大半の作品ではこんなこと言うことはまず無いんだけど、依子に気持ち悪いという感情を抱くのは最高の褒め言葉な気がしないでもない。
そんなこと無いから!!と感じる方も多いと思いますが。

回を増すごとに蓄積される気持ち悪さと司に対する強い愛情に磨きがかかってくる。
司と依子の家での過ごし方が対照的なのも印象的だった。
司の一家団欒と依子が司を想う姿を並べることで依子の気持ち悪さをより印象的なものにしているのではないかなと思う。

ケーキのように甘くハイカロリーな百合がそこにあった。

後、透の葛藤も丁寧に描かれていて、豊富なリアクションも良いなと感じた部分だ。
良い味を出している。
図書委員の女の子も可愛かったな…

『きもちわるいから君がすき』6話を掘り下げる

『きもちわるいから君がすき』6話で特に印象的だったのが以下の6つ。

  • 冒頭のケーキ
  • はじめての雪合戦バトル
  • 透からまろび出る気持ち悪さ
  • 司・依子・透の作る雪だるま
  • 自分語りの依子
  • また1つ増える依子の宝物
  • 司の一家団欒

ここでは、上記の6つについて少し深掘りをしていこうかなと。

冒頭のケーキ

絆創膏記念日でケーキ屋に寄った司と依子がとにかく可愛い!(ここ大事

司が依子にイタズラするシーンや司の妹がケーキのフィルムについたクリームでケンカする様子など、クスッとさせる様子が盛りだくさんです。

ケーキのように甘い模様が繰り広げられるのかなと思わせつつ、読者をキチンと裏切ってくるのがけい先生クオリティというところだろうか。
勘繰りが過ぎますね。

ケーキのフィルムについたクリームでケンカするなら、551の豚まんの下に敷いているざぶとんについた皮や餡で揉めないかとかいろいろ考えてしまう…

はじめての雪合戦バトル

司と依子の雪合戦バトルは、『きもちわるいから君がすき』6話における見どころのひとつです。
効果音は「ぱふっ」と可愛らしいけど、2人とも互いの顔面にぶつけてくるところは可愛くない。
だが、そこがイイ!

まるで、好きな人に自分の想いを剛速球でぶつけるような感じがして…

笑いながらぶつけてくるところは、気持ち悪さを通り越して狂気じみてる…

何かを言おうとしたら、その途中で投げてくるとかガチ過ぎる…
サラッとヤバい描写を描いてくるところは、ズルいなと思うばかり。

傍から見ると、微笑ましい場面だけど、司と依子の本当の姿を知っている人にとっては恐ろしく気持ち悪い場面と言っても良いでしょう。

透からまろび出る気持ち悪さ

司と依子が雪遊びを楽しむ一方、透は学校の図書室で読書をして、他のクラスメイトと下校時刻をズラそうとしていました。(そんなの気にせずに帰ったら良いじゃないかとツッコんだら負け

言葉の節々から司や依子に負けず劣らずの気持ち悪さが滲み出ていたのが特徴的。
友情ごっことかいろいろ言っていますが、透もまたそっち側の人間といった印象を受けます。

依子に名前で呼んでもらった嬉しさを感じている様子は可愛く、気持ち悪いです。
それだけ、透にとって衝撃的なものだったのでしょうが。

図書委員の女の子に何度も叱責されるのも何か良い。

司・依子・透の作る雪だるま

司と依子は雪合戦をした後、雪だるまを作っていました。
雪だるまの出来栄えが対照的だったのも印象的です。

表面の綺麗な雪だけで作った司に対し、依子の雪だるまは土や葉にまみれていました。
司は見栄えを重視していたのに対し、依子は大きさを重視しています。

どんな感じの出来栄えだったかを絵に表すとこんな感じです。

きもすき雪だるま.png

こういった部分からも司と依子の性格などが反映されているのかなと。

司も依子に対してヤバい想いを抱いているものの、依子に比べると綺麗な感じがします。
そういった部分が雪だるまにも表れているのではないかと解釈しています。
てっぺんに葉を乗せているのがポイントです。
あえて、葉を乗せることで司の依子に対するヤバい気持ちをなんだとかいうのは考え過ぎですね、はい。

対する依子は、司に対する想いが強く、司の使った物をコレクションしていく一面を見せているのが印象的。
いろいろなものを取り込むところ・気持ち悪いくらいの好きを表すのに土や葉が描かれていたのかなと感じています。

大きな雪だるまから、雪だるま式に司に対する想いが膨らんでいくと想像できなくもなさそうです。

雪だるまを作っていたのは、司と依子だけではありません。
司と依子の様子を見ていた透もまた、依子の雪だるまを見て、雪だるまを作ることに。

透の雪だるまも依子と同様に土や葉が混じっていました。

透は友達を作ろうとせず、1人でいることを選択し続けている女の子。
友達を作っても卒業したら離れ離れになる・雪だるまを作ってもいずれ溶けてなくなってしまうとどこか荒んだ面が感じられます。
そんな部分が透の作った雪だるまに反映されているのではないかなと。

分からないと感じつつも、透が雪だるまを作っていたのは、依子のことをもっと知ろうとしたのでしょう。
最も、依子は透の想像の上の上を行くので簡単に分かるわけないですが。

また1つ増える依子の宝物

依子は、司の作った雪だるまを家に持ち帰り、自分のコレクションに加えていました。

透は雪だるまなんて溶けて無くなってしまうと言っていましたが、依子はそうならないための方法を見つけていたのが印象的。
ゴキゲンなお土産というのは、『きもちわるいから君がすき』6話におけるパワーワードです。

冷凍庫に雪だるまを保管するって…

冷凍庫は、氷やアイスなどを保管する場所です。

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ですが、依子の手にかかれば、司との思い出を保管するための宝箱に早変わり。
雪だるまがさぞ輝いていたことでしょう。

ほんのささいなキッカケだけで簡単に消えてしまうという言葉が只々重いです。
実際、冷凍庫を司に見られたら、今の関係が終わってしまう可能性があります。

雪だるまを祈るように見ていたのは、司とずっと一緒にいられるようお願いしていたように見えます。
だるまは、縁起物。
自分の想いを成就するために1人祈っていたといった印象を受けます。

溶けたら永遠に戻ってこないと依子が言った際、卒業式の様子を頭に思い浮かべていたのは、卒業式を迎えると同時に今の関係が終わってしまうという恐れがあったからでしょう。
高校を卒業すると、進学や就職で多くの人が友達と離れ離れになってしまいます。
それは、司と依子の通っている高校も例外ではありません。

司との関係を終わらせないため、司を思い出すためにさまざまな物を集めたり、いろいろ思案しています。

依子の言葉から察するに、司とずっと一緒にいるつもりなのでしょう。

それにしても、依子はパソコンで一体何を見ていたのか。
十中八九、司に関するものだと思いますが。

司の一家団欒

司が家族と一緒にケーキを食べる様子も描かれていました。

公園で1人寂しく食べる依子とは対照的です。
司が両親や2人の妹とケーキを美味しく食べる姿は微笑ましく見えます。
皆でどのケーキを食べようか悩んだりするのも楽しいものなのかなと。
場合によっては、食べ比べしたりとかですね。

極めつけは、司が妹達に雪がまた積もったら、雪だるまを一緒に作ろうと提案したシーン。
雪だるまなんて、何度でも作ってあげると優しい言葉をかけていたのが印象的です。
家族である限り、雪だるまを作ったり、雪合戦をする機会が舞い込んできます。

それに対し、依子は司と雪だるまを作る機会が後、何回訪れるのだろうか。
また、訪れるかもしれないですし、一生訪れない可能性も。
そのチャンスがずっと舞い込んでくるようにするためには、司と深い深い繋がりを作る必要があります。

繋がりを深くするため、依子が一体何をするのかも今後の見どころになってくるのかなと。

最後に

『きもちわるいから君がすき』6話は、雪だるま式に膨らむ依子の気持ち悪さを描いた回だったと思います。
司が家族と一緒にケーキを食べる様子を並べることで依子の気持ち悪さを際立たせていたのが印象的です。

7話以降、どんなやり取りが行われるのか気になるところ。

新連載を記念して配布されたスマホ壁紙用イラストで描かれている依子の後ろにいるのって…

よくよく考えたら、最初から透はいたんだなと実感しちゃいますね。

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