『欠けた月とドーナッツ』4巻の感想を紹介します。
基本情報
タイトル | 『欠けた月とドーナッツ』4巻 |
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作者 | 雨水 汐(@siousuisio0057) |
掲載誌 | コミック百合姫 |
出版社 | 一迅社 |
収録話数 | 16~20話・描き下ろし・あとがき |
発売日 | 2022年7月15日 |
ISBN-10 | 475802443X |
ISBN-13 | 978-4758024433 |
サイズ | B6(14.8x1.2x21cm) |
ニコニコ百合姫 | https://seiga.nicovideo.jp/comic/56192?track=official_list_s1 |
配信 |
『欠けた月とドーナッツ』4巻の内容
『欠けた月とドーナッツ』4巻では、ひな子とあさひが気持ちを通じ合わせる様子が描かれていました。
それに加え、すばる達がそれぞれの道に進む様子に加え、本編から数年後の出来事が収録されているのも特徴的です。
ひな子とあさひの物語、ここに完結。
『欠けた月とドーナッツ』4巻の感想
1話1話、ひな子達の日常をしっかり丁寧に描かれていた。
「好き」や「特別」だけでなく、何気ない日常や日常の中で変わらないものと変化していくものに触れられていたのが印象的。
ひな子とあさひはもちろん、2人を取り巻く人達も確実に変化していくのが分かる。
そして、「幸せ」についても。
何気ない日常を魅力的に描くところは本当に凄いなと思う。
恋愛についてはまだまだ慣れないところもあるけれど、最後の最後に気持ちを通じ合わせ、好きを確かめるひな子とあさひが尊い。
あさひが本で口元を隠し、ひな子に好きと告白する姿とかもう…
読んでいて思うのがひな子とあさひだけでなく、1人1人の「幸せ」や「人生」について触れられていた部分も『欠けた月とドーナッツ』4巻における魅力なのではないかと解釈している。
すばるが大学進学を目指すところをはじめ、ひな子のお母さんがひな子に選択を誤ったと吐露したシーン、綾乃が一緒に居たいという人に巡り会えたところなど、挙げ出すといろいろ出てくる。
それぞれが幸せに向かって一歩一歩進んでいるんだろうなとしみじみ思う。
幸せになるための道が平坦かどうかは別として。
人生、遠回りや落とし穴とかいろいろなものがありますし。
ひな子がひな子のお母さんを見て、年を重ねる度に足りないものが増えていくと感じたシーンでは、人は1人では生きられないなと感じたりした。
人間って、完璧なように見えて、足りない部分がたくさんある生き物だと思っている。
1人でできることにも限界があるし、誰かの助けや協力がないと乗り越えられない場面がいくつも存在する。
自分も年を重ねる度に無理はできないなとかいろいろ感じるなとふと頭によぎったりしますね。
妹が姉を想う気持ち・姉が妹を想う気持ちと同様に親が子を想う気持ち・子が親を想う気持ちについて丁寧に描かれていたのも良いなと感じた部分。
皆、大切な人が幸せになって欲しいと思うから心配したり、一生懸命になれるのかなとか。
後、印象に残ったシーンと言えば、ひな子が自分の周りには優しい人がたくさんいると感じたところだ。
雨水先生の描くキャラクターって本当に優しい顔をしたキャラクターが多いなと。
『欠けた月とドーナッツ』だけでなく、『女ともだちと結婚してみた。』でも共通して言えることだと思いますが。
一見厳しそうに見えても、しっかり見ると優しい一面や可愛い一面など、いろいろな顔を見せている。
ひな子とあさひの恋そして人生だけでなく、その周りを取り囲むキャラクター達の幸せや人生などを盛り込んだ読み応え十分な1冊に仕上がっている。
掘り下げ甲斐のある話がいくつも収録されており、1つ1つのやり取りを考えたりするのが楽しいですね。
最後に
『欠けた月とドーナッツ』は4巻で完結となりましたが、どの巻も奥が深く、読み応えがあったなと実感しています。
ひな子とあさひの百合が温かく、尊いのはもちろん、好きとは何かなどをしっかり掘り下げていた点は『欠けた月とドーナッツ』におけるストロングポイントかなと。
日常の中にある幸せや特別、変化などを1つ1つ丁寧に描いた百合漫画だと思います。
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