【感想・考察】『きもちわるいから君がすき』9話を作中に描かれたラブレターと雪を中心に掘り下げる

『きもちわるいから君がすき』9話がいろいろな意味でヤバかったので、感想と考察を紹介します。


基本情報

DSC_0516.JPG

タイトル『きもちわるいから君がすき』9話
作者西畑けい(@nishihatak)
掲載誌まんがタイムきらら2022年10月号
編集部のTwitterアカウント@mangatimekirara
出版社芳文社
発売日2022年9月9日
ISBN4910083451025
サイズB5
きららベースhttps://seiga.nicovideo.jp/comic/58241

『きもちわるいから君がすき』9話の内容

『きもすき』9話は、司の下駄箱に入っていた1枚のラブレターを巡る話。
送り主は依子の名前を使っており、司は依子に自分のことが好きなのかどうか問いかけることに。

予想外の出来事に動揺する依子。
ラブレターの話を聞かされた依子は…

『きもちわるいから君がすき』9話の感想

依子のきもちわるさが只々爆ぜていた…

いつもヤバいことしかしない依子に申し訳ないんだけど、見ていて面白過ぎるんですが!!!!!!!!!!!!!!!!!

いやぁ今回は被害者ですからねぇ。
慎重にやっているつもりだけど、どこかガバガバのガバな面も無きにしもという感じがするけどさ。

今の幸せ・今まで保ち続けたバランスないし関係性が崩れるのが怖い・嫌だという気持ちは分からなくはない。

だけど、それを表現する依子がさぁ…

どこか狂気じみてて、どこか可愛く映る。
司を感じる物を後生大事に抱えるところがとにかくきもちわるすぎるんだけど。

きもすぎとかきもちわるいが褒め言葉に見える作品って中々ない。

きららの中でも異質な作品のひとつな気がする。
違うと感じる方もいるかもしれないけど。
近い作品を挙げるとしたら、絵井みぃ先生の『ペンスモンテンが咲いた』が頭に浮かぶ。
美しく見える反面、どこか恐ろしく、気持ち悪さを感じさせるところとか。
ちなみに、『ペンスモンテンが咲いた』はありかなしかで言ったら、あり。

開始当初だとコミック百合姫で連載されていたまにお先生の『きたない君がいちばんかわいい』をイメージしている方もいたようですね。(自分も脳内に浮かんでいた

全体を通して、秘密と雪を上手く活かした回だったと思う。

秘密はラブレター・最初の1ページに描かれていた依子が司に何かをささやくシーン・依子が口を割らないところ・体育の先生がラブレターについて何も言わないことで表現していた。
何かをささやく依子がとても可愛い。

『きもすき』において、人には言えない秘密というのは作品を支える重要な骨格だなとしみじみ感じている。

DSC_0519.JPG

手紙は秘密を伝えるのにうってつけの手段だ。
ラブレターに書かれていた文面に司が驚きを隠せなかったのも無理はない。
内容が内容だけに。

予想外の文章が飛び出す様はまるでビックリ箱のようだ。
他の人間から見ると、当事者以外は決して開けてはならないパンドラの箱に見えなくも。

依子でないとしたら、一体誰が送ったんだろうか?

依子が司を意識していることを一体誰がどうやって知ったのか気になって気になって仕方ない。
きもちわるいからこそ、依子の名前を騙ってラブレターを送るなんて暴挙に出たのかな。
透は…うん、ないな。

司に予想外のことを聞かれた時の依子の表情やその返しが印象に残る。
人間、想定外の事態が起きると素の反応を示しますよね。
動揺しつつもできる限り冷静に対処しようとする依子が怖くてきもちわるい。

目的を果たすためなら手段を選ばないところも怖い。

透、大丈夫???

いや、マジで。
透は依子をともだちと思ってるかもしれないけど、向こうはともだち(都合の良いぼっちの共犯)と思ってるぞ。

まぁ、もう戻れないところにいるか。

雪も『きもすき』の演出をより魅力的なものにしている要素だ。
ホワイトクリスマスなんて可愛く見えるくらいに。

相手に対する純粋な想い・しんしんと降り積もる想い・日常が崩壊するかもしれなかったという涙。

さまざまな表現を行っていたのではないかと解釈している。
雪と言えば、6話における雪だるまの話も印象的だ。

DSC_4706.JPG

依子・司・透がそれぞれ違ったスタイルで雪だるまを作っていた。
作り方だけでなく、それを保存するかどうか・また作るかどうかなど、キャラクターによって考え方が異なっていたのがよく分かる回。

雪だるまの話はきららを読んでいて、印象に残った方も多いのではないだろうか?

雪だるま3.png

雪に沈む依子を見ていると、このまま雪に埋もれて消えてなくなりたいと感じていたのかなと思ったり。
あるいは溶けてなくなりたいとか。
疲労困憊といった感じに見えなくもない。

ラストに見せた依子の表情。司はもちろん、他の誰にも絶対見せられないやつだ。

それにしても、言葉ってすごいなと。

喜・怒・哀・楽・きもちわるさを伝えることができるから。

ラブレターもそうだけど、依子の言霊もそれと同等のヤバさがあると思う。
声や文字に力が宿ると上手く言ったもんだ。

『紡ぐ乙女と大正の月』の作者・ちうね先生がツイートした「きもすき、きもすぎ~~ッッ!!!!」も作品に対するアツさを相手に伝えるだけの強さを十二分に持っていたな。
自分もこの言葉、気に入ってしまったし。
「ぷりぷりプリン美味しいプリン」も『つむつき』を盛り上げるためのパワーワードにまで昇華したりと画や言葉でさまざまなものを表現する方の凄さを垣間見た気がする。

DSC_0857.JPG

依子のきもちわるさ・秘密・雪を上手く活かし、今まで保っていた日常が崩壊するかもしれないというピンチを上手く表現した回だった。

図書委員さん、ええキャラしてるわ。
もっと見てぇ…

最後に

『きもすき』9話は予想外の出来事で依子が保ち続けてきた日常・関係性が崩壊するかもしれないというピンチを描いた回。
キャラクターのきもちわるさだけでなく、秘密や雪を活かした描写の数々が物語をより豊かなものにしていました。

依子の今後の動向に目が離せないです。

作品をおさらい・考察したり、触れるきっかけになったら嬉しいの一言に尽きます。
まんがタイムきららには、『きもすき』の他にも個性溢れる作品がいくつも載っているので、購読していない方はこれを機に新たな作品を開拓してみてはいかがでしょうか?
きららベースを利用すれば、『きもすき』をはじめ、いろいろなきらら作品を触れるきっかけを作ることができます。

『きもすき』の輪がもっともっと広がることを心から祈るばかり。

この記事へのコメント