【感想】『似せる気無くて草です』に描かれていたキャラクターの変化・変身が秀逸だった

コミック百合姫2022年11月号に掲載されていた読切漫画『似せる気無くて草です』が印象に残ったので、感想を紹介します。


基本情報

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コミック百合姫2022年11月号

タイトル『似せる気無くて草です』
作者ウルシノ(@Rihito_Urushino)
掲載誌コミック百合姫2022年11月号
出版社一迅社
発売日2022年9月16日
ISBN4910137391123
サイズB5
配信【ブックウォーカー】etc

『似せる気無くて草です』の内容

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『似せる気無くて草です』は、コスプレイヤーの南と北園の2人が活躍する百合漫画。
ギャルだった南は北園がオタクだったこと・コスプレをしていたことについてからかっていたものの、北園がきっかけでコスプレの世界にハマることに。
一方、北園も南がコスプレをしていたことを知っており、好きな作品をバカにされた復讐をするために会うのを心待ちにしていた。
果たして、南の運命は…

『似せる気無くて草です』の感想

最初の掴みと後半の勢い、ラストの南と北園のやり取りが印象的だった。

読もうと思ったきっかけは最初のシーンだ。

南が北園に逃がさないと言われたシーンから始まり、思わず「えっ何?どういうこと!?」と感じた自分がここにいる。
そうなるまでの過程は一体何なのか・どうして北園が南を逃がさないのかと読み手の興味を上手い具合に刺激しているのが印象的。

コスプレというのは、さまざまなキャラクターそして新しい自分に変身することだと解釈している。

コスプレを通し、キャラクターの変化・変身を上手く表現している点も『似せる気無くて草です』における強みだと思う。

ギャルの南が北園に影響されてコスプレオタクに変身するところはもちろん、好きな作品・好きなキャラクターを愛し続けた北園がメディアに引っ張りだこになるところとか。

その他にも、南が北園をいじって後悔するシーンや北園が南にいじられていた時に一体何を感じていたかをカミングアウトするシーンで繊細な心理描写を持って来たところも印象的だ。

ここぞという場面を上手く散りばめられていて、話の内容をより濃密なものにしていた。

読んでいて、南と北園のようなやり取りって想像以上に多いんだろうなと感じなくもない。
大きな溝ができたままというケースも多そう…

キャラクターの変身・関係性の変化・コスプレや作品に対する熱い想いなどを上手く表現した秀作だと感じている。

最後に

『似せる気無くて草です』は、コスプレを題材にキャラクターの変化や変身を表現した百合漫画です。

ここぞという場面のインパクトはもちろん、それまでの過程も見応え十分に仕上がっていたのではないかなと。
作者のウルシノ先生は漆野りひとの名義で『ウィッチギルド ファンタジア』を連載していたので、前から注目していた方もいたのではないでしょうか?

今後の動向にも注目していけたらなと思います。

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