自分の中では、『ロンリーガールに逆らえない』はまだ完結していない。
コミック百合姫で連載されていた『ロンリーガールに逆らえない』。
2022年10月に最終話を迎え、12月に最終巻である6巻が発売された。
最終話そして6巻に付いていた小冊子を読み終え、ふと気になったことが…
それは、26話の冒頭が一体いつなのか?
26話を初めて目にした時に感じないといけないことだと思うのだけど、話を振り返っているとですね。
未来の彩花がアルバムを捲って高校時代の思い出を振り返るシーンは一体いつなのかを知るまで、自分の中で『ロンリーガールに逆らえない』という百合漫画は終わらない。
同人誌が発表されるというのも完結しないと感じる理由のひとつなのだけど。
26話は1話に近い性質を持った回だと解釈している。
そう感じた理由は、1話も空が彩花にキスを「お願い」するシーンからスタートし、そうなった経緯について描かれていたからだ。
26話の場合、厳密な意味では同じとは言えないのかもしれないけど、未来の彩花が高校2年生の出来事を振り返っていた。
32話のラストで26話の冒頭が描かれるのかなと思っていたので、32話は自分にとって予想外のラストだったな。
小冊子の内容を察するに、26話の冒頭は大学を卒業し、プロポーズを交わした後の出来事なのかなと解釈している。
6巻に収録されていた32話のラストが高校を卒業して、新生活を始めるところで26話の冒頭と同じ時とは思えなかった。
それに、6巻のあとがきにこんな一文が書かれていた。
作品には終わりというものが必ずありますが、空と彩花の「これから」は今後も続いていきます。
『ロンリーガールに逆らえない』6巻より引用
あとがきの一文を踏まえると、32話のラストでおしまいとは…
26話の冒頭とまで言わなくても、彩花と空のプロポーズを見るまでは物語の完結と言いたくない自分がここにいる。
ちなみに、『ロンリーガールに逆らえない』に限らず、最初に衝撃的な展開からスタートし、過去を遡る描写を描いた作品はいくつも存在する。
ゆあま先生の『君と綴るうたかた』。
岩見先生の『今日はカノジョがいないから』とか。
そこに至るまで一体何があったか。どうしてそうなったのかを追っていくのも漫画やアニメ、ゲームなどにおける醍醐味のひとつだと思う。
百合ではないですが、とある誰かが憎しみを抱く人間を地獄に送るところからスタートとか。他にも、主人公が警察に捕まって取り調べを受けるところからスタートとか。
惹きの強いスタートや作中に用いられているギミックなどが上手くかみ合った瞬間、「なるほど、そういうことか!」とか「だから、そうなったのか」といった感情を覚える。
『ロンリーガールに逆らえない』の単行本を読み終えると、やっぱり26話の冒頭までに一体どのような出来事があったのかというのをもっと見たくなる。
敢えて、謎のままにする方が良いと思う方もいるかもしれないけど、少なくとも自分は…
ズルさや偶然、距離感などを繊細に描いた『ロンリーガールに逆らえない』。
この先、一体どんなサプライズが待っているのか。今はただ、作品に対して想いをめぐらせることにする。
樫風先生、今後どんな新作を発表するのかな。
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