『あさぎ色のサウダージ』10話の感想について語っていくことに。
『あさぎ色のサウダージ』10話の感想
初めてのコミティアで蓮とまつりが苦い経験をする様子を見ていると、胸を締め付けられた…
強がっていた蓮が悔しがる様子はリアリティがあった。心血を注いで作った同人誌が思っている以上に売れないことで生じる悔しさは多くの同人作家が経験しているのでしょう。その悔しさは本人でなければ分からないことも。蓮とまつりが感じた悔しさは計り知れないものだったと私は考えている。
蓮とまつりのセリフや表情を見て、2人は悔しい想いをしているなと察することができる。ただし、蓮とまつりの想いを100%理解できているかと言われたら、そこには疑問符がつく。X上でも同人誌が売れなかった話や単行本が思っている以上に売れないなどの話を目にすることがある。そんな時、何て言えば良いか分からなくなってしまう場合も。言葉によっては相手を傷つけてしまうことだって…
まつりが蓮に帰ろうかと声をかけるシーンも見ていて辛い。まつりが笑顔で言っているから尚更辛い。時間がまだ残っているにもかかわらず、その場を去ろうとしているまつりは蓮と同じ辛さを味わっていたのを察することができる。
同人誌が売れない辛さといえば、2001年に放送された『こみっくパーティー』のアニメでも描かれていましたね。見たことがない方も多いかもしれないけど。『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』でタイトルを知った方もいそうですね。
コミティアは過去に何度か行ったことがある。座ってお客さんが来るのを待っているサークルもあれば、積極的に声掛けを行っているサークルもあった。どちらが正しいとかはないと思うし、その辺は人によって考え方が異なる部分。お客さんがくるまでじっと座り続けるというのは精神的な負荷が大きいのかなと。お客さんがいつ来るか分からないので気が抜けない。お客さんは想像以上にサークル1つ1つの様子を見ているだろうし。ちょっとした所作でサークルの印象とかって大きく変わる可能性だってある。
周囲のサークルの新刊が完売していくのも蓮やまつりに精神的な負荷を与える要素なのかなと。蓮が他のサークルが着実に売れていく様子を見て、羨望の眼差しを向ける様子もリアリティに溢れていたな。多分、私がこれまで行ったコミティアにおいても、蓮と同じような想いをした方がたくさんいるのかもしれない。蓮の姿を一言で表すとしたら、取り残された感じ。
『あさぎ色のサウダージ』10話は暗い話ばかりではない。同人誌が売れた時の蓮とまつりの嬉しそうな顔も見どころの1つだと思う。
蓮とまつりが拳で喜びを表現するところが良いなと。喜びを共有し合っているというか。蓮とまつりが感じた喜びが創作活動における原動力の1つだと解釈している。
コミティアの雰囲気を丁寧に表現されているところも見どころの1つ。会場内での賑わい・会場内に巻き起こる拍手・東京ビッグサイトに向かう人々など。拍手の音を聞くと、コミティアの始まりを感じさせる。背景の描き込み具合は相も変わらず凄いの一言だ。
蓮が同人誌の香りを嗅ぐシーンもなんとなく分かる。同人誌によってはインクの独特の香りを発する場合もあるし。
コミティアでの出来事をいろいろ思い出しますね。ここが『デジモンアドベンチャー』や『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の舞台か想いながら東京ビッグサイトを眺めてたな。オムそばが美味しかったこととか。
いかん、こうしていろいろ言ってるとコミティアに行きたくなる。
最後に
『あさぎ色のサウダージ』10話では、同人誌即売会における喜びや熱気、悔しさなどが丁寧に描かれていた。蓮とまつりの表情を見て、温かみを感じたり、胸を締め付けられることも。
コミティアの雰囲気がしっかり再現されていたのも印象に残った。同人誌即売会の様子を描いた創作物は『こみっくパーティー』や『ドージンワーク』などがあったなぁと思ったりした。
ラストには、予想外の展開が待っていたけど、蓮とまつりは一体どうなってしまうのか。
11話以降の展開も楽しみですね。
コミティアは出会いの場だと思う。
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