『私のブルーガーネット』1巻の感想について語っていくことに。
『私のブルーガーネット』1巻の感想
訳ありな女性たちによる三角関係が思っている以上に複雑だと感じた。
主人公の紺がこれまで過ごしてきた人生を見ると、さすがに辛くなってしまう…
思っている以上にキャラクターのバックボーンが重いなぁ…
書影を見た感じ、甘い感じの物語ではないと察していたものの、想像以上に重いパンチが飛んできた。
転職活動が上手くいかない紺・大好きな人の命を奪いたいと感じる藍・藍と浮気した後に藍と家族を置いてどこかへ旅立った楓。こうして字面を並べて見ると、どの女性も個性的だと思うんだ。
複雑な三角関係を見たいという方は一度チェックするのもありかな。
居場所を失くした紺が藍という居場所を見つけ、藍と一緒にいるためならどこまでもついていく様子を描いた百合漫画。藍と出会ったからこそ、紺は後戻りできない旅をすることになったと言った方が良いかもしれないけど。
紺の弱さ・葛藤・藍に対する恋愛感情が特に印象的だった。もちろん、藍の楓に対する想いも目を引く。
転職活動で否定され続けたからこそ、紺は藍の温かさに惹かれたのだと思った。唯一、紺を肯定したのが藍。それは紺にとって最も求めていたもの。藍に事情があると分かっていても、紺は藍を求めてしまう。藍に対する紺の想いは『私のブルーガーネット』を読む上でポイントなのかなと。
ブルーガーネットについて考える
タイトルに用いられているブルーガーネットという単語。ブルーガーネットについて少し考えることに。
ガーネットは柘榴石(ざくろいし)のことだ。ザクロの果実に似ていることからその名が付いている。宝石言葉は「忠実」「友愛」「貞操」「真実」などが挙げられる。
ブルーガーネットとは、藍のことでしょう。青系統の色である藍の名前からブルーがついていると私は考えている。
楓に対する想いに忠実に従い、真実を追い求める藍。紺はそんなブルーガーネットを離すまいと感じ、藍と一緒に旅に出る。藍の隣が自分の居場所だと感じて。
キャバクラで働く藍は愛する人のために貞操を守り続けていたのだろうか。
紺の名前を知った藍がグラデーションが隣同士と紺に言った時の表情が優しく映る。服のコーディネートなどで同系色の色を用いることで統一感が出る。明暗のコントラストを感じやすくなるのも同系色の色を取り入れる利点なのかなと。
ガーネットと聞いて、赤色をイメージする方も多いかもしれない。ガーネットには、さまざまな色調が存在する。成分が複雑なのが理由とのこと。そんな複雑な性質は藍の複雑な事情を彷彿させる。楓を探していること・楓の命を奪いたいと思っていること・楓の夫に追われていること・紺の心を奪う魅力を兼ね備えていること。
やっぱり、藍は複雑な事情を抱えた女性だ。
最後に
転職活動で何度も否定され続けた紺が唯一自分を肯定した藍と出会い、楓を探す旅に出る様子を描いた『私のブルーガーネット』。紺と藍が旅を続ける中、一体どのような結末が待っているのか。
前述でも触れましたが、複雑な三角関係を題材とした漫画が読みたいと感じている方は一度チェックしてください。
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