内容
【33話の内容】
奏があこがれている理由について掘り下げた話。
【33話の見どころ】
- 冒頭に描かれている七姫の後ろ姿
- 陰口を叩いている女子生徒に対する七姫の反応
- 書店で見せた奏の確かな変化
感想
【大まかな感想】
奏から見る七姫の後ろ姿は美しく、カッコいい。どこか自信を感じさせる。奏が七姫にあこがれるのもよく分かる。アジイチ先生の思うカッコよく、魅力的な女の子をストレートに表現しているのかなと感じた。奏は七姫の背中をずっと追っていたのかな?とか想像力を膨らませることができる。
奏ができなかったことをサラッとやってのけた七姫がカッコよくて、シビれる…こうなりたいと感じさせる姿を藤代七姫というキャラクターで表現しているところは『でき姫』の魅力。
『でき姫』33話を読むと、弱い一面・嫉妬深い一面にギャップを感じてしまう。奏は七姫を高く評価していたけど、七姫にも奏と同様に弱い一面を持っている。奏は七姫が髪を染めているのを見た時の衝撃は大きかったんだろうな。「金髪の頃の彼女が好きだった。」というセリフがそれを物語っている。
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あこがれ
奏が七姫にあこがれた理由は『でき姫』33話でフィーチャーされているものの1つ。作中における七姫は自信を持って生きていたのに対し、奏は自分に自信を持てずに生きていた。2人は対照的だなと感じさせる。自分にはできないことをサラッとやってのけた七姫にあこがれる気持ちは分からなくない。自分にはないものを持っている人に惹かれることも往々にしてあるからだ。
七姫の性格の悪い一面がクローズアップされているのを見る限り、奏は七姫に対する苦手意識が大きかったんだなと。七姫のことに対して苦手意識・不満を抱いている人間が想像以上にいることも描かれていたような気がした。奏があこがれている理想の人でも世の中全ての人が好きになるわけではない。絶対に否定する人も出てくる。
ひょっとしたら、奏からお姫様役を奪った美麗は多くの人に嫌われているかもしれないし。奏が知らないだけで美麗は想像以上に苦労している可能性も。因果は巡るとも。
七姫にあこがれる奏はホームラン級にチョロ過ぎる…ここまでチョロいのは奏が『小林さんちのメイドラゴン』のトールか。
変化
七姫にあこがれた奏の変化も『でき姫』33話における見どころの1つ。七姫が悪口を言っていた女性生徒に対して堂々と立ち向かっている姿は奏を間違いなく変えた。その証拠に書店で七姫が載っている雑誌を購入していたし。おしゃれに疎かった奏なら間違いなく買わなかったであろう物。それを手にしていたことを踏まえたら、七姫が奏に与えた影響は想像以上に大きい。
『でき姫』33話のラストにおける奏のセリフは、七姫のようになれば自分に自信を持って生きていけるのかもしれないといった想いから出てきたのだろう。奏にとって、街の灯は眩し過ぎたのかなと感じた。奏が見ていた景色はいくつもの光で照らし出されていたし。
奏に七姫のような強さがあったとしても、お姫様に向いていないといった美麗に言い返せたかどうかは正直分からない。
後、七姫から周りのことは一切眼中にないオーラに溢れていたと奏は言っていたけど、七姫は奏をよく見ていたぞと言いたくなる。見ていないと、身だしなみのことを指摘しないし。かつての奏は七姫のことをあまり理解していなかったことを『でき姫』33話から察することができる。
最後に
『でき姫』33話を通して、奏が七姫にあこがれていたことがよく分かる。自分にはないものを持っていると感じたのが七姫に惹かれた理由だと思う。実際、七姫は奏が思っているような人間ではない。誰かに裏切られた時は涙もするし、嫉妬心だって抱く。七姫は奏が思っている以上に弱い人間だ。かつての奏は七姫のほんの一部分しか見れていなかったといった印象を受ける。
七姫の本音を知った奏がどのような選択をするか気になる方は『でき姫』6巻を手に取ってほしい。
人を見る・人を理解するって想像以上に難しい。その人を見るということは多くの場面において求められることだと思う。難しいからこそ、対人関係で苦労する。
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