【感想】『帰り道』の解体新書

『帰り道』の感想を紹介します。

もくじ

『帰り道』の基本情報

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基本情報
【基本情報】
  • 作者:紫のあ
  • 掲載:アキJam2019
  • 出版社:祥伝社
  • 発売日:2021年10月29日
  • ASIN:B09JWBDF78

『恋ねが』のISBM
【この恋を星には願わない】
1巻:9784049149746
2巻:9784049154924
3巻:9784049158717
4巻:9784049163094

『帰り道』の内容・見どころ


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『帰り道』の内容
内容

とある2人の女子高生の最後の学校の帰り道を描いた甘くて苦い百合漫画。


主人公のまおちゃんとみぃちゃんは従妹同士。

まおちゃんは進学を理由に上京することに。

まおちゃんと離れ離れになることになり、複雑な思いを抱くみぃちゃん。

対するまおちゃんも…


『帰り道』の見どころ
見どころ
  • わずかな時間を濃密に描いた物語
  • まおちゃんの想いを掘り下げた過去
  • 繊細かつ絶妙な2人の距離感

誰におすすめなのか
おすすめな人
  • 十代の繊細な心理描写が好きな人
  • 両片思いの物語が好きな人
  • 『この恋を星には願わない』が好きな人

『帰り道』の感想


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濃密なモラトリアムを描いた百合漫画

『帰り道』を一言で表すならこう答える。


短い時間をより太く濃密に描いた百合漫画


もぉぉーーーっちょっと続きが読みたいと感じさせる。

紫のあ先生、ズルすぎるぅぅ……


学校の帰り道というわずかな時間をここまで濃密にできるのかと言いたくなる。

漫画は長さではなく、密度が大事だと実感した。


密度を濃くするものとして、以下のものが頭に浮かぶ。


【密度を濃くする要素】
  • もうじき離れ離れになる関係性
  • 学校からの帰り道という状況
  • 両片思いの従妹同士
  • 触れたくても触れられない距離感
  • 複雑かつ繊細な心理描写
  • 忘れてはいけないとある約束
  • リアリティ溢れるアクション

学校からの帰り道という限られた時間の中、まおちゃんがみぃちゃんと過ごした数年間の日々を振り返ることにより、短いはずの時間がより密度の濃いものになっていたと思う。


アクションもリアリティに溢れているためか、時の流れがゆっくりだけど確実に進んでいるなと感じさせる点も良い。


『恋ねが』のルーツを求めて

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『帰り道』にたどり着いた理由は、紫のあ先生の『この恋を星には願わない』。

多くの方が『恋ねが』を読んだ後、『帰り道』にたどり着いたのではないだろうか。


『恋ねが』といえば、いくつかの出来事を思い出した。


  • 百合ナビ第6回百合漫画総選挙3位
  • 百合展2025参加作品

『恋ねが』は幼馴染の冬葵ふゆき瑛莉えりを取り巻く人間関係を描いた百合漫画だ。


自分が思う『恋ねが』の主な魅力として、以下のものが頭に浮かぶ。


【『恋ねが』の主な魅力】
  • 一筋縄ではいかない恋物語
  • 感情をかき回されそうな描写の数々
  • 1話1話における引きの強さ

『帰り道』同様、続きが読みたいという気持ちを上手く刺激している。

各キャラクターの掘り下げも秀逸なのも相まって、個性が際立っていると思う。


『恋ねが』から新しい百合漫画を読みたいなと感じている方は、紫のあ先生の『帰り道』を読んでみるのもありなのかなと。


触れそうで触れられない距離感

まおちゃんとみぃちゃんの触れそうで触れられない距離感が絶にして妙!


みぃちゃんがまおちゃんの手を触れようとする瞬間もそうだけど、まおちゃんがみぃちゃんの手を触れようとする瞬間がもどかしい…


バスを降りる瞬間が本当にもう…触れるのかい?触れないのかい?というまおちゃんの葛藤がリアリティに溢れていたような。


キャラクターや場面の立たせ方が本当に好き。


2人の間で交わされた約束

まおちゃんとみぃちゃんが過去に交わした約束がまおちゃんを悩ませる。

みぃちゃん、それはあかんて…


まおちゃんとみぃちゃんを囲むクローバーたちが重すぎる。

クローバーは以下の花言葉を持っているからかな。


【クローバーの花言葉】
  • 約束
  • 私のものになって
  • 幸運

ずっと一緒にいたいというまおちゃんの想いがにじみ出ている。


最後に

『帰り道』はもう少ししたら離れ離れになる少女たちの濃密な時間と出来事を描いた百合漫画だ。

キャラクターの魅せ方・物語の密度の濃さ・リアリティに溢れる演出など、光るものがたくさんある。


できれば、物語をもう少し読みたい・知りたいと感じさせる。

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『帰り道』のDNAは『恋ねが』が受け継いでいると思う。

まだ読んでいない方はぜひぜひチェックして欲しい。

過去があるから現在いまがある。


皆さんと『帰り道』や『恋ねが』などを一緒に楽しめたら嬉しい。


参考資料

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【書籍】

・『帰り道』

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・『この恋を星には願わない』1巻

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【Webサイト】

『この恋を星には願わない』1話が読めるサイトになります。


・カドコミ

https://comic-walker.com/detail/KC_000622_S?episodeType=first

・ニコニコ静画

https://manga.nicovideo.jp/comic/62219

・pixvコミック

https://comic.pixiv.net/works/9127?srsltid=AfmBOoq5UZ0l4r8vVArh2bM8-7Go4WZMhKZF8F0V-145b_JQ82Ku5_SE


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