『帰り道』の基本情報
基本情報
『恋ねが』のISBM
『帰り道』の内容・見どころ
『帰り道』の内容
とある2人の女子高生の最後の学校の帰り道を描いた甘くて苦い百合漫画。
主人公のまおちゃんとみぃちゃんは従妹同士。
まおちゃんは進学を理由に上京することに。
まおちゃんと離れ離れになることになり、複雑な思いを抱くみぃちゃん。
対するまおちゃんも…
『帰り道』の見どころ
- わずかな時間を濃密に描いた物語
- まおちゃんの想いを掘り下げた過去
- 繊細かつ絶妙な2人の距離感
誰におすすめなのか
- 十代の繊細な心理描写が好きな人
- 両片思いの物語が好きな人
- 『この恋を星には願わない』が好きな人
『帰り道』の感想
濃密なモラトリアムを描いた百合漫画
『帰り道』を一言で表すならこう答える。
短い時間をより太く濃密に描いた百合漫画
もぉぉーーーっちょっと続きが読みたいと感じさせる。
紫のあ先生、ズルすぎるぅぅ……
学校の帰り道というわずかな時間をここまで濃密にできるのかと言いたくなる。
漫画は長さではなく、密度が大事だと実感した。
密度を濃くするものとして、以下のものが頭に浮かぶ。
学校からの帰り道という限られた時間の中、まおちゃんがみぃちゃんと過ごした数年間の日々を振り返ることにより、短いはずの時間がより密度の濃いものになっていたと思う。
アクションもリアリティに溢れているためか、時の流れがゆっくりだけど確実に進んでいるなと感じさせる点も良い。
『恋ねが』のルーツを求めて
『帰り道』にたどり着いた理由は、紫のあ先生の『この恋を星には願わない』。
多くの方が『恋ねが』を読んだ後、『帰り道』にたどり着いたのではないだろうか。
『恋ねが』といえば、いくつかの出来事を思い出した。
- 百合ナビ第6回百合漫画総選挙3位
- 百合展2025参加作品
『恋ねが』は幼馴染の冬葵と瑛莉を取り巻く人間関係を描いた百合漫画だ。
自分が思う『恋ねが』の主な魅力として、以下のものが頭に浮かぶ。
『帰り道』同様、続きが読みたいという気持ちを上手く刺激している。
各キャラクターの掘り下げも秀逸なのも相まって、個性が際立っていると思う。
『恋ねが』から新しい百合漫画を読みたいなと感じている方は、紫のあ先生の『帰り道』を読んでみるのもありなのかなと。
触れそうで触れられない距離感
まおちゃんとみぃちゃんの触れそうで触れられない距離感が絶にして妙!
みぃちゃんがまおちゃんの手を触れようとする瞬間もそうだけど、まおちゃんがみぃちゃんの手を触れようとする瞬間がもどかしい…
バスを降りる瞬間が本当にもう…触れるのかい?触れないのかい?というまおちゃんの葛藤がリアリティに溢れていたような。
キャラクターや場面の立たせ方が本当に好き。
2人の間で交わされた約束
まおちゃんとみぃちゃんが過去に交わした約束がまおちゃんを悩ませる。
みぃちゃん、それはあかんて…
まおちゃんとみぃちゃんを囲むクローバーたちが重すぎる。
クローバーは以下の花言葉を持っているからかな。
ずっと一緒にいたいというまおちゃんの想いがにじみ出ている。
最後に
『帰り道』はもう少ししたら離れ離れになる少女たちの濃密な時間と出来事を描いた百合漫画だ。
キャラクターの魅せ方・物語の密度の濃さ・リアリティに溢れる演出など、光るものがたくさんある。
できれば、物語をもう少し読みたい・知りたいと感じさせる。
『帰り道』のDNAは『恋ねが』が受け継いでいると思う。
まだ読んでいない方はぜひぜひチェックして欲しい。
過去があるから現在がある。
皆さんと『帰り道』や『恋ねが』などを一緒に楽しめたら嬉しい。
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