『うさぎはかく語りき』1巻の基本情報
『うさぎはかく語りき』はCOMIC FUZで連載されている百合漫画。作者は『きららファンタジア』のコミカライズ版の漫画担当などで活躍していた鴻巣覚先生。
ある日、若者の街として賑わっていた渋ヶ谷に隕石が飛来!
隕石が飛来して以降、人々は渋ヶ谷の地下を根城にする人喰いうさぎを恐れながら生活することに…
ある日、渋ヶ谷の地に狼耳の戦士・西終イズコの姿が。
人喰いうさぎによって行方不明になった先輩・ひがなを取り戻すため、イズコは人喰いうさぎたちの巣くう渋ヶ谷の地下を駆け巡る!!
『うさぎはかく語りき』1巻の内容・見どころ
『うさぎはかく語りき』1巻の内容
渋ヶ谷伏魔殿を探索するイズコと咎うさぎのキョウカは、渋ヶ谷の地下をマッピングする志田万里と渋ヶ谷の地下を造り変える咎うさぎのイナバと出会うことに。
それぞれ違った美学を胸に抱くイズコとイナバの戦いの火蓋が切って落とされた!!
一方、渋ヶ谷に飛来した隕石を見つけるため、キョウカはイズコと仲良くなるための方法を模索する。
『うさぎはかく語りき』1巻の見どころ
- 持ちつ持たれつの関係からなる百合
- スタイリッシュかつキュートな戦闘描写
- 広大な地下の大迷宮が舞台の大冒険
- 異なる美学を抱く個性的なキャラクター
『うさぎはかく語りき』1巻の感想
『うさぎはかく語りき』はありかなしかで言ったら、あり。
興奮する要素が盛りだくさんだからか読んでいて楽しい。
キュートなバディ・迫力満点な戦闘シーン・それぞれの美学と思惑が交錯する物語・果てしなく続く地下の大迷宮など、読み手を楽しませる要素が充実している。
鴻巣先生の好きなものをただ詰め込むだけではなく、読み手を楽しませたいといった想いが伝わってくるような気がした。
イズコとキョウカもしくは万里とイナバのやり取りをフラットな気持ちで見るのはもちろん、今後の展開や作品の世界観について考えたりするのが楽しい。
多くの方におすすめできる百合漫画だと思う。まだ読んでいない方はぜひぜひ読んで欲しい!
物語の骨格を形成する要素
『うさぎはかく語りき』は読み手の興味を引く要素がいくつも盛り込まれており、それらが物語の骨格を形成していると思う。
物語の骨格を形成する要素として、主に以下のものが挙げられる。
これらの要素が上手く組み合わさることにより、読み手の興味を上手く刺激している。
物語にもっと興味を持って頂きたいので、『うさぎはかく語りき』の骨格を形成していると感じた要素についてもう少し深堀りしていくことに。
未知なる脅威との対立
『うさぎはかく語りき』において、未知なる脅威との対立が描かれているのが印象的だ。
月から飛来したとされる隕石の墜落に加え、人喰いうさぎの出現が『うさぎはかく語りき』で描かれている脅威。
そんな人喰いうさぎとイズコたち人間との対立という分かりやすい構図ができあがっている。
ん?隕石の飛来とそれに伴う驚異の出現って…
『仮面ライダーカブト』じゃねぇか!!!
キョウカをはじめとする人型うさぎの美学・思惑・変化などが描かれている点は『仮面ライダーカブト』に登場するワームたちの掘り下げに通ずるものがあるような気がした。
作中に描かれている隕石とは一体何かという疑問は物語を読み進める動機づけになる。
もちろん、人喰いうさぎはどこから生まれてきたのかなどの謎も物語を読み進める動機づけの1つ。
キャラクターの動機づけ
『うさぎはかく語りき』には、個性あふれるキャラクターが登場している。
各キャラクターには、それぞれ異なる美学・思惑を抱いているのが特徴的だ。
イズコたちの美学・思惑がキャラクター・物語に深みを与えると同時に物語を追う際のポイント・目的地は一体どこかなどが掴みやすくなる。
イズコの復讐心・キョウカの隕石という名のお宝を見つける探究心は、渋ヶ谷の地下を探索する動機であると同時に人喰いうさぎと戦う動機にもなっている。
また、ひがなと隕石はイズコたちの動機づけの役割を果たすだけではなく、『うさぎはかく語りき』における謎の役割を果たしているのもポイント。
作中で触れられている謎は漫画を読む動機づけにもなる。
また、万里が渋ヶ谷の地下をマッピングしていくことにより、渋ヶ谷の地下に関する全貌が明らかになると。
万里は、『うさぎはかく語りき』の世界における解説者・ガイドのような役割を担っていると思う。
穴を掘り続けるイナバが行き着く先は一体どこなのかも物語を追っていくポイントになるのではないだろうか。
私は、イナバが作り上げた迷宮の完成図を見届けることも『うさぎはかく語りき』を読む動機づけの1つではないかと解釈している。
復讐・大切な人との再会・お宝・未知なる場所への探求心・作品の完成といくつもの動機づけがキャラクターに役割を与え、キャラクターを動かしていく。
渋ヶ谷の地下に広がる大迷宮
渋ヶ谷の地下に広がる大迷宮も物語の骨格を構成する上で欠かせない。
渋谷の地下って迷いますよね…
メロンブックスの特典リーフレットによれば、当初は架空の駅を舞台にするつもりだったものの、実際の駅をモデルにしたとか。
実際の駅をモデルにすることにより、読み手が物語の舞台をイメージしやすいのが理由なのかなと感じなくもない。
渋谷の地下といえば、『ペルソナ5』のメメントスをイメージする。
あちらも渋谷という舞台を上手く活かしていた。
地下迷宮を探索する楽しさを盛り込んだゲームはいろいろある。
探索していく中でどんなお宝が見つかるのか・どんな脅威が飛び出すか・一体どこまで続くのかなどのドキドキ感を味わえるのが地下迷宮における魅力だと思う。
『うさぎはかく語りき』におけるお宝は行方の分からない隕石。
脅威は人喰いうさぎだ。
冒険の要素も味わえる点は『うさぎはかく語りき』の魅力ではないだろうか。
渋ヶ谷の地下がリミナルスペースになっていることにより、一体どんな脅威が飛び出すのかというドキドキ感をさらに煽っていたと思う。
飛び出してきたものが人喰いうさぎだけとは限らない。
もしかしたら、人喰いうさぎが仕掛けた罠の可能性だって…
上記の『遊戯王OCGデュエルモンスターズ』はイメージ図。ラビュリンスというカテゴリーは罠カードをフィーチャーしているようだ。
また、異様に発達した地下の世界と荒廃した地上世界の対比も印象に残る。
荒廃の度合いが大きい程、美しい地下の世界がより不気味に。
終末世界を題材とした作品が好きな方にも刺さりそうな一作だと個人的に感じている。
優れた科学技術と未知の技術
『うさぎはかく語りき』の世界では、優れた科学技術と同時に未知の技術が存在するようだ。
科学が一体どのくらい発達しているかも物語の骨格を構成するものの1つではないかと解釈している。
人喰いうさぎが持つ月の装備も優れた科学技術があることを察することができる。
オーパーツ的な要素が強そうだけど。
月の装備を見て、「これだけの技術があるのか」といった想像ができるのも『うさぎはかく語りき』における魅力の1つ。
イズコの装備もそうだけど、月の装備はキャラクターの個性づけの役割を果たすのかなと感じた。
今後、登場する人喰いうさぎが一体どんな月の装備を使うのかといった楽しみも用意されている。
ひがなの行方
ひがなが生きているのかどうかは『うさぎはかく語りき』における謎。
生きているとしたら、一体どこにいるのか…
もしかして、もしかすると…
ひがなのパーカーには、彼岸花が描かれていたのが印象的だ。
彼岸花の花言葉として、主に以下のものが挙げられる。
「再会」という花言葉を踏まえると、イズコとひがなは再会できるのかなと感じなくもない。
「情熱」といえば、キョウカはイズコに対してどこか情熱的な感じも。
ひがなの消息が分からなくなったこととキョウカの出現は何か関係があるのかと一瞬頭によぎった。
さすがに考え過ぎですね。
イズコとキョウカの百合
イズコとキョウカの百合は外せない!
スタイリッシュかつキュートなイズコとテンションが高い一面とブラックな一面を併せ持つキョウカのバディは見ていて楽しい。
万里にイズコと仲良くなるためのアドバイスを聞こうとした際のキョウカは見ていて、ゾクッとする…
そんなにイズコと仲良くなりたいのかと。
個人的にイズコにはキョウカがお似合いだと思う。
こういったものを見ると尚更だ。
キョウカにリードされるイズコをイメージするとゾクゾクしてしまう…
人喰いうさぎに対して非常な態度を取り、かっこよく退治するイズコを見ると、もっと可愛い姿が見たいという想いが強くなる。
戦うための鎧を破り、ビーストイズコの衣装に身を包んだイズコがキョウカに飼い慣らされる。
あぁ…良い…ってなる。
イズコがクールで強く、可愛いからこそ、キョウカに主導権を握られた時の姿がより魅力的になると思う。
人喰いうさぎに激しい憎悪を抱いている一面もキョウカに主導権を握られたイズコを可愛くさせるスパイス。
忌むべき存在であるはずの人喰いうさぎにイズコが分からせられるかもしれないと考えたら、ゾクゾクしないですか?
イズコがイナバによって屈辱の格好で帰宅させられるかもしれないと葛藤していたけど、その役目はイナバやないと言いたくなった。
ひがなが行方不明になる原因を作ったと言っても過言ではないイズコは本当に悪い子。
ひがなを助けられなかっただけではなく、キョウカに週に1回しか配給しない・渋ヶ谷の地下で長時間放置って…
キョウカ、イズコの主導権を握ろうかという想いが強くなる。
ひがなを助けるためならなんだってするとかイズコが言っていたけど、ひがなのためならキョウカに飼われることも。
イズコとキョウカの百合って本当に良いですね。
妄想力は時に孤独を生むんだろうな。
万里とイナバの百合
万里とイナバの百合も良いなと思う。
好きなものについて饒舌に語り合える関係性って本当に素晴らしい。
万里とイナバの表情も活き活きとしていたし。
イズコとキョウカは利害関係で結びついているのに対し、万里とイナバは同じような価値観で結びついている関係といった印象を受ける。
万里と接していくうちに表情に変化がみられるイナバが本当に可愛い…
今後も見たくなる。その笑顔…
イナバのパーソナリティが掘り下げられるのに比例して、このまま退場するのが惜しいと感じてしまう。
イナバの守る宣言とか事実上、告白じゃん!!
万里がイナバに三つ編みを結ってあげるのとか付き合っているも同然だし…
いやぁ万里とイナバの百合、もっと見たい。
万里のやろうとしていること、おそらくイナバがいないと成立しなさそう。
キャラクターの魅力を引き出す戦闘描写
『うさぎはかく語りき』の魅力を支えるものの1つに戦闘描写が挙げられる。
スタイリッシュに決めるイズコが只々カッコイイ…
1つ1つの動作にこだわりが詰まっていると思う。
イズコが高出力の放電を放つ構図をガンプラで再現してみることに。
イナバを倒すためにスタンロッドが壊れるかもしれないというリスクを承知で高出力の放電を放つ姿が本当にクール。
イナバがイズコを直接殴ると言った後、イズコがスタンロッドを振るう時の姿も個人的にお気に入りだったりする。
集中線でスタンロッドとベクトルリープがぶつかり合う瞬間がより強調されていた。
股関節・膝の角度、体幹・前腕の捻りなどにより、立体的に描かれているのを実感できる。
後はスピード線や稲妻の描写により、スピード感を感じた。
ダイナミックな一撃だけではなく、疾走感のあるアクションも印象的だ。
キュートなクリーチャーデザイン
人喰いうさぎのデザインを見ていて、思うことが…
1話に登場したアンゴラうさぎ。
『ごちうさ』がなぜか頭に。
多分、気のせいだ。
イナバが生み出すヘルメットうさぎ。
『遊戯王OCGデュエルモンスターズ』のレスキューラビットを思い出すんだが。
同じようなことを感じた方がどのくらいいるのか分からないけど…
1羽1羽がキュートでも集まれば、ヒッチコックを彷彿させる。
充実したおまけ要素
描き下ろしの4コマ漫画が何本も楽しめるのも良いなと感じた。
特に、どうぶつのビスケットの美味さに共感し合うイズコとキョウカに癒される。
イズコたちのいろいろな一面が見られるので、気になる方はその目で確かめて欲しい。
最後に
『うさぎはかく語りき』は光るものが多く、多くの方におすすめできる百合漫画だと思う。
キャラクターも魅力的だし、読み手の心を刺激する要素が数多く存在する。
戦闘描写もこだわりが詰まっていて、個人的に好き。
面白い作品なので、今後の展開を追っていけたらなと。
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