『ぜんぶ壊して地獄で愛して』21話の感想を紹介することに。
『ぜんぶ壊して地獄で愛して』21話の基本情報・内容
タイトル | 『ぜんぶ壊して地獄で愛して』21話 |
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サブタイトル | 楽しい学校生活 |
作者 | くわばらたもつ(@kuw8ra) |
掲載誌 | コミック百合姫2025年7月号 |
出版社 | 一迅社 |
編集部のTwitterアカウント | @yh_magazine |
発売日 | 2025年5月16日 |
ISBN | 4910137390751 |
サイズ | B5 |
『ぜんぶ壊して地獄で愛して』21話の感想
さっすが恭華!元優等生なだけあるぅ!!
堀江の牙城を掌握しますよねと。堀江はクソ雑魚ナメクジのへなちょこだけど。
直井にも大きな動きがあったみたいだけど、来未はどうなるんやろか。来未と直井が離れ離れにならないで欲しい…
直井は「来未は関係ない」とか言っていたけど、関係ある。来未と直井はもう後戻りできないところまで来ている。来未を支えられるのは直井だけだし、直井を支えられるのは来未だけ。
直井の父親が暴力を振るった原因も何となく察しがついている。
直井の母親は経済状況を整え、一緒に暮らさないかと直井に提案したのかな。直井の妹が会いに来た線もあるけど。直井の家族関係に何か変化があったようだ。
赤い糸を握る恭華を中心とした扉絵も印象的だった。来未と直井を引き離すかのような構図になっている。扉絵を見て、いろいろと思うことが。
峰は伊佐沼のことが好きだから、堀江にぞっこんな伊佐沼について行くのだろう。文化祭を仕切る伊佐沼を補佐していたし。東を突き放していたのも納得だ。伊佐沼を裏切る行為は峰にとって許し難いことだ。
恭華についても言いたいことがいろいろある。
来未との会話から伊佐沼のことを知っているのを察することができた。堀江の秘密も恭華は握っていそう。転校もそうだけど、来未たちのクラスになるのも話が上手すぎる。ここまで事が思うように進むのも恭華が仕組んでいるとしか…
堀江が過去にやらかしたこと・堀江と伊佐沼がデートしたことの2つとも恭華は知っているんじゃないかな。堀江を退職に追い込むなんて恭華にとったら、造作もないことなのかもしれない。
伊佐沼、恭華にメンツを完全に潰されていたな。伊佐沼に協力すると思いきや、伊佐沼の立場を奪っている。恭華が主体となって、文化祭の役割分担を次々と決めていたし。伊佐沼の立場からしてみれば、結構辛くないですか?
来未に声をかけたのも、来未を手元に置いておくため。一緒に文化祭を楽しみたいなんて気持ちは1ミリもない。来未と恭華が一緒にいたら、直井がキレることなんて百も承知。挑発しているようなものだ。
恭華の場の空気を握る力と話術が本当にすごい。木村の本音を上手いこと引き出している。来未を気遣うような言葉をかけ、来未が断れない状況を作り出しているし。恭華の味方が次々と生まれている中、恭華に敵意をむき出しにしたら、その人間は孤立してしまう。
メンツを潰された伊佐沼のように。
的確なタイミングで弱者に寄り添っているのが本当にヤバい。強者に立ち向かうために弱者を味方につける。まるでどこかの国の独裁者みたいだ。
弁が立つから、来未をグループに引き込むことに難色を示していたクラスメイトたちを恭華は納得させていた。もっともらしい理由を並べ、反論できない状況を作り出す。恐ろしや。
伊佐沼はどうして腫れ物扱いされなければいけないんだと感じていたけど、峰を除くクラスメイトたちは伊佐沼のことを厄介者だとずっと感じていたのだろう。来未が伊佐沼と大喧嘩したことが引き金となって、そっぽを向くようになったと。
気軽に案を出したら、伊佐沼に何されるんだろうかとか想像してしまった。堀江は気軽に案を出しても良いとか言っていたけど、「できるか!!」って言いたくなってしまう。
伊佐沼に対して不満を抱く人間が多いことが分かっていたからこそ、来未をグループに引き込んだ際に来未が全部悪いなんて思っていないなんてことが言えたんだろうな。
直井がキレると、恭華の思うツボ。恭華は快楽を得るために敢えて抵抗しなかったから、直井の立場がさらに悪くなった。直井は恭華の目的をすぐに察したからこそ、恭華を相手にするのをやめたわけで。
来未が恭華に反抗しても来未が孤立するだけ。来未も直井も恭華から逃げられないと。直井がどこへ行っても恭華から逃げられない気がしてきた。どこまでも追いかけて来そう。
恭華が堀江の牙城を支配下に置くのもそう時間もかからなかったな。他人の本音を引き出しつつ、場を掌握するセンスは本当にピカイチだわ。自分から秘密や素性を明かすというのも他人を味方につけるための常套手段なんでしょうね。心をオープンにしているという恭華のポーズ。
最後に
恭華が一瞬で堀江の牙城を自分にとって都合のいい空間に作り変える様子が描かれていたのが印象的だった。
恭華は本当に頭が良い。自分の欲しいものを得るために何をすれば良いかよく分かっている。楽しい学校生活を送りたいだけとか言っていたけど、たしかに間違ってはいない。
本音を引き出す能力・断り切れない状況を作り出す能力・人をまとめる能力が本当に凄い。
来未と直井は衝突している場合じゃないような。今回の話も嵐の前の静けさといった印象が。
文化祭はとても素敵なことになりそうだ。
『ぜんこわ』4巻の発売を記念して、メロンブックスがフェアを開催していたのを見ると、『ぜんこわ』も確実にファンを獲得しているのかなと感じた。話の引きを作るのが上手い。怖いもの見たさみたいな感情を引き出してくるような。
来未と直井が互いに理解し合い、時にはぶつかり合う姿も目を離せない。
読み手が夢中になれる要素が『ぜんこわ』に詰まっている。夢中になれるからこそ、これから百合漫画を読み始めたいといった方にも『ぜんこわ』を勧めたくなる。重荷になる周囲の期待・抑圧された環境など、共感できるものも読み手の心を掴む要素な気がする。
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