【感想】『ウイニングアンサー!』2話~〇×クイズとクイズの気持ちよさについて思うこと~

『ウイニングアンサー!』2話の感想を紹介します。

もくじ

『ウイニングアンサー!』2話の基本情報・内容

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タイトル『ウイニングアンサー!』2話
作者八代 涼(@Yashiro_Ryo)
掲載誌まんがタイムきらら2025年7月号
出版社芳文社
発売日2025年6月9日
ISBN4910083450752
サイズB5

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『ウイニングアンサー!』2話の感想

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〇×クイズ

ウイニングアンサーの「ネームコーリング効果」を活かした話だった。〇×クイズといえば、『ウルトラクイズ』『高校生クイズ』が頭に浮かぶ。



『高校生クイズ』といえば、6月8日のお昼にWeb上で予選が行われていたようですね。


『第44回高校生クイズ』の2回戦で〇×クイズが小田原城で繰り広げられていた。


純粋にクイズを楽しむ香奈の勘に惹かれるなんて、亜衣はいかんですね。成績優秀な人間とチームを組む方も一定数いるような気がするけど。


名前を呼ばれることで好感度に変化が生じることを「ネームコーリング効果」と呼ぶという問題だけど、この手の問題って×にしにくいような感じがする。×にする場合、どの単語を用いるか・どのような言葉を作るか熟考しないといけない。


『第22回高校生クイズ』で出題されていたこの問題。「苦労することは骨が折れる。もっと苦労することは、骨髄を砕くという〇か×か」。正解は〇。×にする場合、もっと苦労することを表す言葉は一体何か探し出す必要があると思う。私だったら、「骨髄を砕くじゃなかったら、一体何というんだ?」と指摘する。


実在するから、「ネームコーリング効果」と呼ぶかどうかという問題は、〇にしやすい。


『第44回高校生クイズ』において、「三重には、松坂牛の他にも松坂豚がある〇か×か」という問題が出題されていた。これも×にしにくい。×にするなら、どんなブランド豚があるか把握する必要がある。私の場合、和田アキ子氏がプロデュースしている「わだ家」で使われている松坂ポークと松坂豚を混同していた。


この現象の名前を○○と呼ぶといった感じの問題で×が正解になるパターンって少ない印象なんですよね。


「電池のサイズは世界共通である」の正解が〇なのもしっくりくる。×にする場合、どうして海外の方がゲームボーイなどを探し求めるのかという話だ。アメリカなどに持ち帰って遊ぼうと思っても、合う電池がなければ本末転倒。コレクション目的の方もいるかもしれないけど、買っても遊べなかったら、目も当てられない。


扉絵にも描かれていたけど、セットも〇Xクイズを盛り上げる要素だ。


みんなのクイズ王

亜衣が香奈に紹介した「みんなのクイズ王」というアプリ。



『みんはや』じゃねぇか!!!


「みんなのクイズ王」をプレイする時の亜衣と香奈、近い近い。香奈、まぶしいくらいに嬉しそうな表情を浮かべていたし。


「トキ」を答えさせる問題が出題されていたけど、「学名を「ニッポニア・ニッポン」」の時点で「あっこれ、正解はトキだな。」と思ったりした。


「人生全部がクイズの力になる」と、亜衣が言っていたけど、裏を返せば普段からさまざまな出来事に関心を持っていないとクイズに勝てないと言っているような。


勘・偶然だけだと、どうしても勝ち筋が細くなる。


最近は『みんはや』だけじゃなく、いろいろなクイズを出題しているWebサイトなんかもあるようですね。クイズに触れる方法は増えているようだ。


『クイズマジックアカデミー』『Answer×Answer』『クイズ殿様の野望』『ちびまる子ちゃん まる子デラックスクイズ』など、クイズを題材にしたゲームはいろいろある。(数百万円で取引されている『ちびまる子ちゃん まる子デラックスクイズ』に一体どんなクイズが収録されているのか気になる


亜衣が最後まで聞いた「木村屋総本店が生んだ定番パンはあんパンと何?」という問題だけど、もう片方を答えさせるのか両方答えさせるのかという迷いが生じそう。慣れている人だと、迷わず「ジャムパン」と答えるのかもしれないけど。


クイズの出題の仕方も出題者の腕の見せどころ。


クイズ初心者がクイズ経験者に勝つ瞬間があるのも、クイズの面白さを構成するものの1つなのかもしれない。いわゆるジャイアントキリングというやつだ。心なしか、ジャイアントキリングを見たがる人が多い気がする。


優勝候補と呼ばれる人間ないしチームが敗退し、ノーマークな人間ないしチームが勝ち上がる。そんなドラマを求める人が、想像以上に多いのかもしれない。


大金星を挙げることは、クイズを好き・楽しいと感じるようになる特効薬のようなものだと、私は解釈している。


負けが続いたり、分からない問題が連続すると、クイズを楽しめなくなるのかなと。クイズで1勝するまでに999敗するとか、私には無理だ。


クイズに勝つためには、諦めない気持ちを持つことが大事なのは分かっているけど。精神論を持ち出すのは、正直すまんと思ってる。


クイズの気持ちよさ

気持ちよくなれる要素が、クイズには存在していると思う。主に以下のものが考えられた。


  • 問題が分かった時
  • 解答権を得た時
  • クイズに正解した時
  • クイズに勝利した時
  • ジャイアントキリング
  • 解答台の前に立った時
  • 近似値クイズで正確な数字を当てた時
  • ボーナスを獲得した時

クイズに正解した瞬間は、クイズを行う上で最も気持ちよくなれる瞬間だと思う。勝ち負けを決する時は、勝利を勝ち取った瞬間が最も気持ちよくなれるのではないかと、私は解釈している。


香奈の場合、問題で問われている内容が偶然分かったことに加え、解答権を得た後に正解している。亜衣から大金星を勝ち取っていることも考えると、クイズで気持ちよくなれる要素を一度にたくさん味わっていると言えるのではないだろうか。


クイズを題材にした番組・ゲーム・イベントは、クイズで気持ちよくなれる要素を理解した上で作る必要がありそう。出題の仕方は主催者によって変わってくるけど。参加者の感情を引き出すために必要なものは、テーマ選び・クイズの難易度・出題者の手腕・出題形式など、たくさんある。


クイズが極端に簡単すぎる・正解が分かるヒントがあまりに多過ぎるといったことをしてしまうと、逆に冷めてしまうことも。


解答台に立った時もクイズで気持ちよくなれる要素のひとつだと思う。亜衣と一緒に、クイズに臨む時の香奈は楽しそうだった。私も日本テレビのイベントにおいて、『高校生クイズ』のブースで解答台の前に立った時に興奮した。クイズ番組・ゲーム・イベントを楽しくする際、解答台などの演出がいかに重要なのかがよく分かる。


今回、登場しなかったけど、近似値クイズで正確な数字を当てた時も気持ちよくなる瞬間。『ぐるナイ』の「ゴチになります」で設定金額分の料理を食べたら、100万円もらえる的な。近似値クイズで正確な数字を当てた人間ないしチームにアドバンテージを与えるとか。


特定の条件を満たせば、ボーナスを得られることも気持ちよくなれるポイントだと、私は思う。条件はクイズを面白くするためのミソ。挑戦したくなる意欲を引き出せるかどうかは、主催者の手腕に委ねられる。簡単な例を挙げれば、『逃走中』でボーナスステージを勝ち抜いたら、賞金が倍になるとか。


解答権を得たり、クイズに勝利するためにギミックありありにした場合、どのくらいのストレスを与えるのかが難しそうだ。あまりに複雑すぎると、理解するのに時間がかかる・時間が予想以上にかかるといった弊害が出るだろうし。


ちなみに、クイズは基本的に遊びの一種というのが私の考え方。遊びの本質は、『スマブラ』や『カービィのエアライダー』のディレクター・桜井政博氏が分かりやすく語っている。



『高校生クイズ』のようなイベントには、競争・対戦・偶然の要素が伴う。何かを題材にしたクイズが存在することも。ラフティング・カヌーに乗って、クイズに答えるのはイリンクスの要素が含まれているような。『第23回高校生クイズ』におけるアナウンサーになりきって、穴埋め原稿を読んでいくクイズは、模倣の要素が含まれていると思うし。


問題文をどこまで聞いた上で答えるか。これは一種の駆け引きではないだろうか。問題文を最後まで聞くと、クイズの全容を理解しやすくなる。その反面、ライバルに解答権を奪われる可能性がある。逆に、早い段階で解答権を得ると、クイズの全容を理解できず、誤答してしまう場合も。


クイズに答えるという行為には、リスクとリターンが伴う。そんな感じがした。クイズの勝利条件によって、駆け引きの内容が変わってくる。クイズは他のゲーム同様、ゲーム性を豊かにすることが難しい。


最後に

クイズの楽しさを題材にした『ウイニングアンサー!』。クイズは楽しいということを描いているなぁと、読んでいて感じた。まさかの大番狂わせもクイズの面白さのひとつだなとか。


クイズにおける気持ちよさみたいなものとかも表現されていたように思う。


亜衣のセリフから、『高校生クイズ』のようなイベントで3人以上集めるのは、かなり難しいことを実感する。『高校生クイズ』における最初の関門は、3人集めること。2人までいけても、3人目が中々見つからないと悩んでいる方が想像以上に多いのかもしれない。


大所帯のクイズ研究部がある高校とか大学とかだと、3人以上のチームを編成するのに融通が利くだろうけど。『高校生クイズ』で1人参加OK・2人1組といった時があったけど、それで恩恵を受けられた高校生も多かったのかもしれない。


亜衣と香奈は、一体どのような仲間を見つけるのか気になる。『ナナマルサンバツ』とか『君のクイズ』など、クイズを題材にした漫画は他にもあるけど、『ウイニングアンサー!』もっと楽しめたら良いなという気持ちが強い。


他のクイズを題材とした作品にも触れてみたいという考えも出てきた。そういった意味でも、『ウイニングアンサー!』に出会えて良かった。


参考資料

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