『ぜんぶ壊して地獄で愛して』22話の感想を紹介することに。
『ぜんぶ壊して地獄で愛して』22話の基本情報・内容
タイトル | 『ぜんぶ壊して地獄で愛して』22話 |
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サブタイトル | マリオネット |
作者 | くわばらたもつ(@kuw8ra) |
掲載誌 | コミック百合姫2025年8月号 |
出版社 | 一迅社 |
編集部のTwitterアカウント | @yh_magazine |
発売日 | 2025年6月18日 |
ISBN | 4910137390850 |
サイズ | B5 |
『ぜんぶ壊して地獄で愛して』22話の感想
来未しか頼る人間いないんだよなぁ…直井。
直井がファミレスで会っていたのが母親の光子。ですよね。ファミレスで1人食事とは思えなかったし。
今付き合っている男性との間に愛叶という新たな命をお腹に宿しているし。光子は直井にWパンチをお見舞いしてる。恭華の転校も相まって、直井のライフは…来未がいるから、直井のライフは完全にゼロとは言えないけど。
すぐには決められないと思うけどとか言って、光子が直井に連絡先を渡していたのがヤバすぎる。当たり前じゃ。しかも、新しく付き合った男性との間に子供ができたとか、なんの冗談だよ。
直井が光子のお腹に子供がいることを父親に言わなかったのは、優しさ。直井の父親が光子のお腹に愛叶という新たな命が宿っていることを知ったら、どんな反応をするのか。
新しい恋人がいることだけでも、動揺が大きかったし。発狂するんじゃないかな?新しい恋人ができたこと・新しい恋人との間に子供をつくったこと・離婚届を出したこと。それらすべてが直井の父親にとって裏切り行為だ。直井にとっても、裏切り行為だけど。
直井の父親、光子や光子の恋人に手を出さないか心配。直井に正論をぶつけられて、さらに追い打ちをかけられてるし。衝撃的な事実を言わなかったことが台無しだよ。光子のお腹に新しい命が宿っているのは、トドメだよ。
嘘だとか直井の父親は吐露していたけど、どの立場が言ってんだ???と言いたくなってしまう。戻ってきてほしかったら、戻りたいと思うような人間になれよとしか言いようがないわ。
無敵の人状態の直井の父親は、大きな過ちを犯しそう。その瞬間、直井は来未がいなかったら、ひとりぼっちになってしまう。
直井の父親は社会的弱者。これはゆるぎない。経済的な面だけではなく、心を許せる人間がいない孤独な人間だ。健康状態はなんとも言えないけど、情緒不安定な一面があるような。直井の父親に寄り添う人間がいないという事実は、あまりにも辛すぎる。自業自得だけど。
直井の父親が荒んだ生活を送るようになった原因は、一体何なんだ???それがわからないと、言葉のかけ方が変わる。直井に対する行為は許されないけど。カウンセリングとか受けた方が良くないかと言いたくなった。直井から金をせびっていた様子から、仕事で上手くいっているような感じは見受けられない。
精神的不安定かつ経済的な弱者である直井の父親に反論できない正論・受け入れたくない事実をぶつけると、人生終わりだとか負のスパイラルに陥る未来しか見えんのよ。考え過ぎか。
光子が戻ってきたいと感じてもらうために、暴力を振るわない・仕事を頑張れとか言ったら、逆効果なんだろうな。直井の父親は、努力できる人間なのか。直井に甘えることしかできないのに…
離婚届をポストに入れた光子を咎めた直井の表情から、父親のことを大事に思っていたのが伝わってくる。どれだけ暴力を振るわれても、出ていかなかったのは家族が大事だから。父親と同じくらい、光子のことも萌奈のことも大切に想っていたのかな。
光子のお腹に子供がいたら、直井は一緒に暮らせないって。子連れで再婚ってどれだけ難しいか分かってるのかな?
『スローループ』みたいなことになるとは限らないぞ。決して、『スローループ』を悪く言う気はないけど、子連れでの再婚ってマジで難しいぞと言いたくなる。『スローループ』はまだマイルドに描かれている。
直井は愛叶とどう接するんだという疑問しかないわ。光子の愛情が直井に100%向けられるとは思えないし。
光子が直井と一緒に暮らしたいとは本気で思っていないのは確かでしょう。ファミレスで直井と話していた時、よそよそしかった。許されたがっていると言えば良いか。人は許されたがる生き物だから仕方ないね。
「あたしといてよ」と来未に対して吐露する直井を見ていると、心が締め付けられる。
来未の腕を握る直井の手に力がこもっていた。直井は誰よりも寂しがりで、誰よりも弱い。
直井が恭華にメッセージを送ったのは、どうしようもない怒りをぶつける先が恭華しかいなかったから。痛みを喜んで受け入れる恭華は直井にとってうってつけの存在だ。関われば関わる程、後戻りできなくなるなんてことは、直井本人がよく分かっている。直井が通っている学校の誰よりも、付き合いが長い。
恭華も直井の弱さをよく理解している。
『ぜんぶ壊して地獄で愛して』22話のサブタイトル
『ぜんこわ』22話のサブタイトルである「マリオネット」。恭華の手のひらの上にいる直井・伊佐沼を表しているのだろう。
転校して早々、恭華はクラスを自分の色に染め上げていった。人心掌握術に優れていることは、『ぜんこわ』21話を見ればわかるのではないだろうか。
来未と一緒にいたのも、直井を挑発するためだし。
恭華の餌食になった人間が他にもいる。文化祭の話し合いでメンツを潰された伊佐沼だ。恭華に心を開き、自分の懐に入ることを許してしまった。地震の目的のために利用されるとも知らず…
伊佐沼は恭華に堀江のことを知られたら、終わりそう。多分、知られる。そうなった時、伊佐沼は恭華に協力せざるを得ない。
「人のことを操っているのは、お前だろ!」と恭華に言いたくなってしまうわ。
自分のことを話すだけではなく、心配している態度を見せることで、恭華は伊佐沼の心を開いた。伊佐沼を立てたのがダメ押しの一手だ。追い詰められている伊佐沼にとって、恭華からの感謝の言葉が沁みるのだろう。伊佐沼が最も欲しかった言葉と言えば良いか。
恭華が伊佐沼のグループ入りしたことにより、東が伊佐沼のグループに戻れる可能性は絶望的に。東本人は戻るつもりはないだろうけど。むしろ、心と明音のグループにいるほうが居心地よさそう。
峰も恭華に協力する未来しか見えない。そう感じた理由は、伊佐沼に対して意味深な態度を見せていたから。恭華は峰の本音を見抜き、峰に特になるようなことを言って、自らの欲求を満たすのだろう。
なかには、『ぜんこわ』21話の扉絵から、伊佐沼と峰のカップリングを見出した方もいるかもしれない。『ぜんこわ』22話で、伊佐沼と峰のカップリングがありだという考えが固まった。
伊佐沼を見る峰の瞳が闇深すぎる…
単純に怖いんだけど。堀江のことを嬉しそうに話す伊佐沼を見て、どんな想いを抱いていたんだろう。絶対良くない感じの想いが。
まるで、伊佐沼には私がいないとダメといった表情を浮かべていたぞ。峰。峰が抱いている感情は友情じゃなく、恋愛感情。恋をしているからこそ、好きと言い切れなかったわけで。伊佐沼と一緒にいられるなら、峰は恭華に協力しそうな感じがする。伊佐沼と堀江の秘密を明かすのかどうか謎だけど。(どのみち、バレると思うけど
峰、病んでいるようにしか見えないんだよなぁ…
伊佐沼という弱みがあるからこそ、恭華にとって、峰も操りやすいマリオネット同然。伊佐沼をどん底に陥れても、伊佐沼には峰が必要とか何とか言って、峰を自分の手駒にしそう。
伊佐沼は恭華に対し、八方美人とか言っていたけど、それは違う。自分の欲望を満たすための下準備を行っていたのだ。厳密な意味では間違いではないのかもしれないが、下心ありありで動いている。
直井が自分の思い通りにならなかったのは、恭華のプライドが許さなかったのかもしれない。他のクラスメイトは自分の思い通りになったのに。ある意味、恭華はプライドが高いのかもなぁと。堀江が築いた砂上の楼閣なんて、直井を自分のマリオネットに作り変えるための舞台としか思っていなさそう。直井を手に入れるためのゲームといったところか。
小学校時代の恭華は、ゲーム感覚でいじめをやっていたように見えるんですよね。『ぜんこわ』22話を読むと、恭華がヤバい人間なのを実感する。
最後に
来未にすがる直井が印象に残る『ぜんこわ』22話。恭華の転校・光子との再会は、直井を動揺させるのに十分すぎる。光子が直井を追い詰めた。恭華も直井を追い詰めるのに加担しているけど。直井を苛立たせるために、わざと来未と一緒にいる場面を見せるとか。
直井が「恭華は人と群れるのが好き」と言っていたけど、「人を操るのが好きの間違いでは?」と言いたくなる。
教室に、来未と直井の居場所がなくなってきているのは確か。
直井、情緒不安定になっているけど、大丈夫かな。
大丈夫じゃないけど。
直井と恭華がどのようなやり取りを繰り広げるか・伊佐沼と峰の行く末・直井の父親の行方・来未と直井の百合といった具合に、見どころが満載だ。
来未や直井の置かれている状況は、決して他人ごとではない気がする。誰もが来未や直井の置かれている状況に立たされる可能性があるのではないだろうか。世の中には、一体どこに落とし穴があるか分からない。
来未たちを見ていると、孤独がいかに怖いか・自分の無力さをダイレクトに突きつけられる辛さを実感する。それを考えると、もう少し自分を好きになろうと思うし、身近な人に手をさし伸ばせたらなと。
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