【感想】『ダメ犬彼女』2話-1~ご主人様としての自覚が足りないから調教されちゃう櫻子~

『ダメ犬彼女』2話-1の感想を紹介することに。


もくじ

『ダメ犬彼女』2話-1の基本情報・内容

櫻子の攻めに乗り気な夕陽。櫻子はそんな夕陽に困惑し、過去の出来事を思い出すことに。夕陽はご主人様としての自覚が足りない櫻子に苛立ちを…


『ダメ犬彼女』2話-1の感想

ご主人様としての自覚も覚悟も持っていないなんて…櫻子は本当に悪い子。


嘆かわしい。実に嘆かわしい。


じれったすぎて、見てるこっちがイライラしてしまう。夕陽が痺れを切らすのも分かる。後戻りできないところまで片足を突っ込んでいるのに、躊躇いとかありえんわ。


ただの復讐劇で終わるとは思っていなかったけど、ですよねとしか言いようがない。


でも、櫻子が悪い子だと思った本当の理由は、ご主人様としての自覚と覚悟を持っていなかったからじゃない。それも悪い子の理由だけど、真の理由がある。


櫻子が中学時代に読んでいたとあるライトノベルが好きな理由を隠していたから。物語が面白いからという真っ赤な嘘をほざいていた。下手な言い訳は苛立ちを募らせる。そんなの、いらんわ。


櫻子が読んでいたライトノベルの物語は、主人公・ジェニのために悪者として最期を迎えようとした妹・セイラの愛に、ジェニが気付くというものだった。セイラがジェニに首輪とリードをつけ、可愛がる様子が描かれた挿絵に、櫻子は魅入られていた。物語が良いとか真っ赤な嘘だ。


マシンガントークでごまかしているから、尚更怪しい。夕陽に説明してもわからないと言っていたのは、物語に出てくるジェニがセイラにペットとして調教される姿の美しさ・可愛さ・淫靡さが織りなす魅力なのだろう。魅力的な存在がペットとして貶められ、心を折られる姿・上から下までペットになっていく過程。それらでしか味わえない要素がある。


ジェニとセイラはとても楽しそうだ。セイラは首輪とリードの感触・抵抗力などを通して、ジェニの存在を感じ取っていたのかもしれない。一方、ジェニも、首輪とリードによる束縛・素材の質感からセイラの存在を感じ取っていたのだろう。


1枚絵しかわからないものの、ジェニはとてもまじめな少女だったのだと思う。そんな真面目なジェニがセイラのペットとなり、人には見せられない姿になっているのにゾクゾクする。


才色兼備な存在・勇者のような存在・キラキラした魔法少女・今を時めくスター・太陽のような明るさを持つ存在といった魅力的なキャラクターたちが、束縛され、屈服する姿はゾクゾクしないだろうか。悪によって、闇に染め上げられる姿とか。


セイラはジェニに隠す必要がないとか言っていたけど、その通りだ。セイラのペットであり、妹でもある。大切な家族に隠し事をするジェニは櫻子同様、悪い子だ。姉のジェニが忌妹のセイラに屈し、可愛い一面を引き出されている。恥じらいも抵抗もトリミングされていると考えると、あぁ…良い…ってなる。


櫻子はどのように感じたのかわからないけど、物語という名のオブラートではなく、姉のジェニが妹のセイラに従属させられている様子に魅入られているのは確かだと思う。セイラがジェニを従属させる美しさが夕陽にはわからないと言いたかったのだろう。何、勝手に決めつけているんだと櫻子に言いたくなる。


夕陽は櫻子が読んでいたライトノベルについて何か言いかけていたけど、セイラがジェニを従属させる姿がとても魅力的に映っていたと言いたかったのではないかと、私は解釈している。グループの中心にいる自分を、櫻子なら教育してくれるかもしれない。リードを握ってくれるかもしれない。櫻子の中に宿るご主人様としての才能を見出していたのではないだろうか。


悲しいと言っていた理由も、ライトノベルを貸さなかったこと・今までライトノベルの存在を教えなかったことに対し、悲しいと言っていたように聞こえる。夕陽が言葉を貯めるシーンと悲しいというシーンをつなげてみると、違和感がない。物語について饒舌に語る夕陽のコマが蛇足に見えてしまう。カモフラージュなことを考えたら、前後のシーンに厚みを持たせる必要不可欠な存在と思えるようになった。


思っていることを素直に言えない夕陽が可愛い。


だからこそ、夕陽は櫻子に釣り合わないと言った。当然だ。櫻子はご主人様で、夕陽はペット。同等の立場じゃないから、釣り合うわけない。櫻子は夕陽に対し、跪きなさいと言うべきだった。そんなこともわからない櫻子は自身の才能を無駄にしている。宝の持ち腐れだ。


真面目な図書委員でメガネっ子でポニテの櫻子がギャルの夕陽を管理する。真面目な堅物少女を自分好みのご主人様にしようとする夕陽は、良い趣味をしてる。真面目な器が徐々に夕陽好みの色に塗り替えられていく姿がたまらない。


櫻子は自分と夕陽が変わったと言っていたけど、そんなことはない。櫻子も夕陽も変わっていない。何も変わっちゃいない。櫻子はずっと夕陽のご主人様だ。


櫻子と夕陽の行為は、ライトノベルに描かれている出来事をなぞっているのかもしれない。


甘酸っぱい青春と淫靡な瞬間の対比が櫻子と夕陽のやり取りをより印象的なものにしている。


最後に

夕陽によって、立派なご主人様へと調教される櫻子を描いた『ダメ犬彼女』。2話は分割ということで、今回は2話-1の感想を紹介した。


櫻子と夕陽の関係性のはじまりから、夕陽が櫻子に釣り合わないといった理由を垣間見ることができた。たしかに、釣り合わない。


ライトノベルを読み終えた夕陽は何かを言おうとしたけど、セイラがジェニを可愛がるシーンの素晴らしさを言いたくて仕方なかったのだろう。夕陽によって、櫻子が立派なご主人様になるその日を楽しみにしている。


参考資料

・『ダメ犬彼女』

https://comic-walker.com/detail/KC_006666_S/episodes/KC_0066660000200011_E?episodeType=first


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