『貴方のおかしが甘いのは』の感想を紹介することに。
『貴方のおかしが甘いのは』の基本情報・内容
タイトル | 『貴方のおかしが甘いのは』 |
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作者 | ヴァロ(@ABC__2233) |
サークル名 | PONPON ぱんぷきん |
ジャンル | にじさんじ |
イベント | #にじそうさく10 |
発売日 | 2025年6月29日 |
ヴァロ先生は#にじさんじ09において、さんばかの同人誌を発表している。Specialeのデビューが2024年8月13日であることを踏まえると、#にじさんじ09の後にハマったことがわかる。
『貴方のおかしが甘いのは』の感想
『貴方のおかしが甘いのは』の感想を3つのセクションに分けて紹介することに。
- 愛される存在・雲母たまこ
- タイトルに込められているもの
- キャラクター・物語へ誘導する仕組み
愛される存在・雲母たまこ
ヴァロ先生の描くたまちゃんが超かわいい!!
『貴方のおかしが甘いのは』の主役はズバリ、たまちゃん。物語はたまちゃん視点で進行していく。
ベリーちゃんの作るスイーツを食べた時・ベリーちゃんと分かり合った時・開店準備を進めている時。さまざまなシチュエーションで、たまちゃんのかわいい姿を見ることができる。
ラストのたまちゃんも晴れやかでいいけど、ベリーちゃんのいちご大福を目にした時のたまちゃんのキラキラした表情もかわいすぎる…おいしそうという気持ちをストレートにぶつけているような。目を大きく見開かせているせいか、目の前のものに対する期待が大きいといった感じもわかりやすい。
新作メニューを期待しているたまちゃんもかわいいんですよね。舌を少し出す感じがかわいさをより引き立てているというか。かわいい女の子が少し舌を出す姿、個人的に好きだったりする。
『貴方のおかしが甘いのは』を通して、たまちゃんのいろんな表情を見ることができる。たまちゃんはヴァロ先生に愛されているなぁと。作中におけるたまちゃんは、生きているような感じがした。作品やキャラクターに対する愛を詰め込めるところは、同人誌の魅力だと思う。
ベリーちゃんの頼みを断り切れないと悩むたまちゃんもかわゆい。
かわいい姿だけでなく、葛藤する姿も印象的。ベリーちゃんに対し、本音をぶつけるたまちゃんを見ていると、心を締めつけられるぅ…
ショッキングな出来事のあと、いつもなら美味しいはずなのにどこか無機的な感じといった感情表現もわかりやすく描かれていた。たまちゃんの感情を敢えて見せないことで、より無機的な感じを抱いた。
1冊の中に1人のVtuberのいろいろな表情が詰め込まれていて、愛があるなというのを実感できる。
タイトルに込められているもの
『貴方のおかしが甘いのは』というタイトル。ベリーちゃんの作ったおかしが甘い理由は、たまちゃんに対する愛情が深いからといった意味だろう。たまちゃんの表情・タイトルから、物語のイメージを膨らませることができる。たまちゃんの後ろにベリーちゃんを描くことにより、たまちゃんにとってベリーちゃんが大きな存在ということを察することができる。
たまちゃんが一体何に悩んでいるのか。ベリーちゃんとの間に一体何があったのか。表紙のかわいさも相まって、見る側の興味を引く表紙とタイトルに仕上がっていた。
キャラクター・物語へ誘導する仕組み
キャラクター・物語へ誘導する仕組みがいくつか用意されているように感じた。思いついたものは以下の通り。
- 大きい1コマ
- 手元のアップ
- 早乙女ベリーという愛される存在
『貴方のおかしが甘いのは』の場合、大きい1コマが用意されていることが多い。それにより、キャラクターの表情・見せ場・場面の変化などを感じやすくなっている。見せたいものを大きく見せるといったところか。「ここが見どころ」「ここを見て欲しい」といったことがすぐにわかるため、読みやすくなっている。
たまちゃんの手元をアップするシーンが何度か登場しており、たまちゃんの動揺・反応・異変といったものを感じ取りやすくなっていた。今回、#にじそうさく10に参加していた樫風先生も、手のアップを描くことが多かったことを思い出した。見せ場・キャラクターの感情・物の質感などを感じ取ることができる。手は口ほどにものを言うというやつか。
手だけではなく、目・口・足などでキャラクターの表情・状況を表現することができるんだろうなと。
ベリーちゃんが自分のお店を持ちたいと言ったあと、たまちゃんがベリーちゃんの作ったクッキーを食べるシーンも、たまちゃんの変化がダイレクトに描かれている。クッキーを口に運ぶまでのアクションが淡々としていて、無機的だな・気分が上がらないといったことを感じ取ることができる。
たまちゃんがいちご大福を食べるシーンの時に映った手元を見ると、たまちゃんの嬉しそうな表情も相まって、テンションが上がっているのがよくわかるものに仕上がっていた。
あと、たまちゃん・物語を引き立てるうえで、ベリーちゃんの存在が欠かせない。ベリーちゃんも物語におけるもう1人の主人公であると同時に、たまちゃんの感情・変化を引き出す役割を担っている。
物語は、ベリーちゃんが夢を明かすところから始まった。それを知ったたまちゃんは動揺し、葛藤し続けることに。ベリたまの2人は一体どうなるんだという疑問を読み手に抱かせ、同人誌を読む動機づけになる。作中におけるベリーちゃんは、読み手に物語を追う動機づけの役割を担っているのかなと感じた。
たまちゃんに自分の夢をまっすぐ伝えるベリーちゃんの表情も良いんだよなぁ…ラストの表情や冒頭の表情もかわいくて良いんだけど。
ベリたまの対立・葛藤・変化といったものが、物語を魅力的なものにしているのかなと感じなくもない。
最後に
『貴方のおかしが甘いのは』はヴァロ先生のベリたまに対する愛が詰まった同人誌。題材にするVtuberを変えてきたのに、正直驚いた。推し変とかは、アイドル・声優なんかで目にすることだけど。
たまちゃんのかわいい姿を見せたいといった感じが強い。見せたいものを大きく、ストレートに描く。たまちゃんの感情を引き出しつつ、読み手に物語を追う動機づけをおこなうベリーちゃん。
キャラクター・人を見ることの大事さを見直すきっかけの一つになった。
ヴァロ先生が#にじそうさく10で販売していたステッカー。どちらもかわいい。
サインまでいただけて、本当に感謝しかない。
スイーツで思い出したけど、ごまたまごプリンが美味かった。濃厚な味わいが最高。ゴマの風味がいい味を効かせている。ドクターイエローをデザインしたパッケージに惹かれて…
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