【感想】『私の推しは悪役令嬢。』54話~愛される悪役令嬢・クレア=フランソワ~

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『私の推しは悪役令嬢。』54話の感想について紹介することに。


もくじ

『私の推しは悪役令嬢。』54話の基本情報・内容

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タイトル『私の推しは悪役令嬢。』54話
サブタイトル青写真
漫画青乃下(@aonoesu)
原作いのり。(@inori_ILTV)
キャラクター原案花ヶ田(@Lv870)
TVアニメ公式Twitter@wataoshi_anime
掲載誌コミック百合姫2025年9月号
出版社一迅社
編集部のTwitterアカウント@yh_magazine
発売日2025年7月17日
ISBN4910137390959
サイズB5

あらすじ

レイとクレアの地道な活動が実を結び、軌道に乗り始める配給活動。対する臨時政府はレイとクレアの配給活動に抱く。そして、レイとクレアを陰から見つめるリリィ。そして、次なる一手を繰り出すサーラス。それぞれの思惑が交錯するなか、レイの行動に疑問を抱くクレア。


クレアに問い詰められたレイは、クレアにすべてを話すことを決意するのだった。果たして、未来を掴み取るのは一体誰なのか。


青写真とは】


未来の構想。



『私の推しは悪役令嬢。』54話の感想


愛される悪役令嬢・クレア=フランソワ

民のために立ち上がるクレアがとにかく可愛い…


レイにスープを振舞うようお願いするクレアの晴れやかな表情が特に良い…


マットの知り合いの人たちに手伝うよと言われた時のクレアの感極まった感じも…たまらなく…良い…


クレアの魅力がド直球に描かれているところが個人的に好き。ラストで秘密を隠しているレイを問い詰める時の真っ直ぐな感じも。『わた推し』54話では、クレアが大衆から広く愛される存在になっていることが全面に押し出されている印象が強い。読んでいて、クレアの笑顔・レイに真実を問い詰める姿・マットたちに向けた表情などを見て、クレアは良いなと感じた方も多かったのかなと。


サーラスの手先に対して、クレアが余裕の表情を見せるシーンで悪役令嬢としての一面を残しているのも良いなぁと個人的に感じた。そこを抜いたら、看板になんとやらだ。


クレアが愛されるキャラクターになるよう意識されているのかなとか。漫画にしろ、アニメにしろ、ゲームにしろ、小説にしろ、愛されるキャラクターづくりが大事だと思うようになった。クレアの場合、麗しい見た目・人間味あふれる一面・カッコいい戦闘シーン・豊かな感情表現と推したくなる要素が詰まっている。そこはいのり。先生のイメージを汲み取り、デザインした花ヶ田先生・いのり。先生のイメージと花ヶ田先生が思い浮かべたデザインを受け取った青乃下先生の力があるからかなと。もちろん、いのり。先生の創造力も外せない。


クレア視点で物語が進行していた部分もあったので、どうしてもクレアが愛されるキャラクターになるよう描く必要があるのかなと思ったりも。読み手やプレイヤーは、基本的に主人公の視点で物語を追っていく。『わた推し』の場合、主人公のレイとクレアが愛されるキャラクターであることが至上命題な気がする。作品づくりに携わっていないのに、何言っているんだとか思われるかもしれないが。


読み手の目となる愛すべき存在を愛せないと、感情移入とかできなかったりする。『わたお推し』に限った話ではないけど、視点に立つ存在が愛せるかどうかどうかが作品を推せるかどうかの分岐点になるような。


レイにいじわるしていた部分もあったけど、推したくなる伏線が用意されていた。青乃下先生の画力と演出が推したくなる気持ちをさらに後押しする。


サーラスの手下と交渉を進めるレイに対し、怒りの表情を見せるクレアも見ていて、おもしろい。表情・背景・吹き出しの形と色・描き文字・セリフから、クレアの感情がダイレクトに伝わってくる。波線を見ると、一体どんなトーンでしゃべっているかなどもイメージしやすい。


ラストでクレアがレイのほっぺたを両手で押さえ、知っていることをすべて話させるシーンも描き文字の効果も相まって、レイの大ピンチ!といった印象は感じられない。レイを信じているから、知っていることを全て話してほしいといった感じが伝わってきそう。厳しさのなかにも、優しさがある。そんな感じがする。


正義の味方ではないレイ=テイラー

どこまでいっても、レイは正義の味方ではない。クレアの味方。マットがレジスタンスとつながりがないと知った時のクールな表情がとても印象的だった。表情をあえて見せず、黒い背景と異なるフォントのセリフによって冷たい感じがより引き立っていた。「…」を入れることで、残念といった感じや何とも言えない圧迫感みたいなものが際立つ。


どこまでいっても、クレアのことしか考えていないんだなと言いたくなる。マットがレジスタンスとつながりがないと知った時のクールな表情がカッコよく映って、個人的には好きだな。


表情が見えないというのは、クールな感じや怖さみたいなものを素直に感じるよ。何考えているのかわからないみたいな。


レイがマットにレジスタンスのことを聞くシーンも印象的。のどかな日常からシリアスな場面にガラッと変わるところは、肝が冷える。レイの笑っていない目とマットの驚きを隠せない表情から、マットの命は果たして…といった感情を読み手に抱かせる。クレアが命を落としかねない事態になる可能性が高い場合、マットが二本の足で立っていたかどうか。


クレアに惚れても殺す・クレアを危機に陥れても殺すという冷たい人間なんだろうな。レイは。クレアに惚れたら殺すという表情を向けている時よりも、レジスタンスのことを問い詰める時の表情の方が殺気みたいなものを感じてしまう。


雰囲気が徐々に変わるのではなく、一気に変えることで、レイがマットにレジスタンスのことを聞くシーンをより印象的なものにしているのかもしれない。アイスを食べている時のレイとマットが和やかでしたからね。それが返って、レイの冷たい表情とセリフがより鋭いものになっている。53話の時にレイがマットが持っていたチラシを拾うシーンを見せることで、レイがマットにレジスタンスのことを聞くかもしれないといった想像を促していたのかなと。人によっては、予想できた流れだったのではないだろうか。


レイがクレアに惚れたら殺すという表情をマットに向けるシーンも、表情やアクションを大げさに見せることで、クレアは渡さないというのがより分かりやすく伝わる。笑っていない目・雑巾を強く絞る動作・手の震え・描き文字・吹き出し・フォント・伏字がレイの凄みを際立たせる要素だろう。


クレアの死を回避するため、臨時政府と革命政府の間に立ち、物事を進められるお膳立てをする。アーラとも関わりがあるし、食糧を提供することで革命政府に対して有利に働ける。それに、臨時政府よりクレアが支持されるよう仕向けていた。


レイがクレアが臨時政府に当てた手紙を破ったのも、革命政府との交渉を有利に進めたかった部分もあるのだろう。臨時政府とつながりがあることを知れば、交渉が成立しなくなるかもしれないし。


マットが持ち主だと言わなかったのも、クレアがマットを信用させるため。マットを信用できなかったら、マットとつながりのある人たちの協力を得られなかった可能性も高い。平民と対立したと知れると、レイの目論見は終わってしまう。


クレアが救われるために水面下で動く。まさしく青写真だ。


ブルーメ・ハンスの協力を得られたのも、レイの功績。クレアの力もあるけど、レイが蒔いてきた種が芽を出したといった感じがする。レシピの提供・魔道具を巡るやり取りなどを通し、周囲の人間から信頼や支持を得る様子は、『ペルソナ5』のジョーカーみたいだな。あちらも、大きな事件に巻き込まれた主人公が多くの人間とのつながりの中で信頼を勝ち取り、災いを打ち滅ぼした。


人とのつながりがステータス・物語に反映されるといった手法は、さまざまな作品に用いられている。


詫びアイスを見ていると、アイスを食べたくなる。できれば、雪印の宝石箱を…!!雪印さん、待ってるから。できれば、リーデンベールも…


人が生きていくために必要なもの

クイズ。人が生きていくために必要なものは?


正解は食糧・水・酸素。もっといえば、お金・携帯電話・雨風を凌ぐ場所。


サッサル火山の大噴火により、食糧難はバウアー王国において死活問題になっている。国民の食糧難を解決できた人間が政権の座を掴むといったところか。


レイとクレアが配給活動を続けることにより、臨時政府だけではなく、革命政府のメンツも潰される。政権の座を乗っ取ろうとするサーラスからしてみれば、たまったものではない。飢餓から救ってくれたのは、臨時政府でもなく、革命政府でもなく、レイとクレアじゃないかという反応が国民たちから返ってくる。


サーラスたちが食糧を全然持っていないのは本当なのだろう。備蓄の準備が整っていない状態で配給の宣言をおこなうのは、国民の支持を得るため。政権の座を手にするためには、国民から支持を得なければならない。臨時政府ではなく、革命政府を支持させる手っ取り早い方法が配給で国民のニーズに応えることだ。


後、革命政府の力を国民に見せることも配給を宣言する理由。国民を養えるだけの食糧・お金がありますよというのを配給で示すことができる。バウアー王国内は臨時政府を支持するか・革命政府を支持するかの状況に分かれているのだろう。クレアを加えると、3つだが。国民は臨時政府と革命政府のどちらか一方を支持する際、何を見るか。それは食糧・お金・国を動かすためのカリスマ性・政策といったものだろう。食糧・お金は目に見えやすい力なので、配給が極端に少なかったりすると、足元を見られる。臨時政府が革命政府より多く食糧を配っていたら、革命政府が政権の座を取れる可能性が低くなる。


気になる会社があった場合、資本金や業績などを見る方が多いのではないだろうか。ビジネスでお金を出す側が足元を見るといった言葉を目にするけど、逆もありそう。そのバランスが難しいのだと思う。


少なすぎる配給をおこなうと、国民たちが期待通りに動かないという問題も浮上する。だからこそ、潤沢な備蓄が必要なのだ。


マットが貴族に対し、不満を抱いていたけど、貴族が贅沢をしていたのは力を他の人間に示すためですからね。ボロボロの服を着て、3食まともに食べていないとかだと足元を見られてしまう。


革命政府が備蓄が全然ない理由は、流通の問題だけではなく、予算の問題もありそう。サーラスは一体どのくらいの予算を持っているんだ?アーラたちは一体どのくらいの予算を確保していたんだ?1人や2人ではない。何千、何万といった人間を養うためには、想像以上の備蓄が必要になる。


レイとクレアが備蓄している食糧は、サーラスにとって渡りに船といった感じも受ける。買い取ることで、クレアという邪魔な人間を排除できるといった算段もあるのだろう。サーラスがお金を渡すとはとても…


ナー帝国が食糧を高く吹っ掛ける可能性だってある。輸送する手間とかを考えると、レイとクレアが備蓄している食糧を買い取る方が安く済ませられる可能性が高い。先々のことを考えたら、配給にかける予算を少しでも安く抑えたいという考えもサーラスにありそう。バウアー王国を立て直すための予算は安くないし、時間もそれなりに…


トンプソンの下で衛士として働いていた男性が良い条件で雇ってくれたというセリフからも、お金は貴族の力を表すことを実感する。クレアを平気で裏切ったのだから。クレアがサーラスより格段に良い条件の再就職先を出していたら、裏切っていなかった可能性もある。最も、バウアー王国が不景気なのを踏まえると、それは難しいでしょうが。クレアが貴族の恩恵を受けていた人間からいい目を向けられていないことも、配給活動を取りやめさせるシーンから察することができる。サーラスほどじゃないにしても、それなりに恩恵受けてたと思う。


ちなみに、サーラスは今雇っている人間たちに給料を支払わないといけない。今回登場した男たちは一体いくらで雇われたんでしょうね?サーラスは新たに雇った人間たちの給料や食糧を十分出せるのか疑問だ。その予算を捻出するため、配給の予算を抑えたいという狙いがなきにしも。トンプソンの下で衛士として働いていた男性もサーラスより良い条件を出す人間が現れたら、サーラスを平気で裏切るような気がする。そのためにリリィ=リリウムという切り札がいるわけで。裏切ったら、リリィを仕向け、「裏切ったら、命はない」とでも言うのだろう。ナー帝国の毒に関する技術もあるし。言い忘れていたけど、武器も力を表すものの一つですね。


コミック百合姫20周年を記念して

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コミック百合姫20周年を記念して、『yrhm 百合姫20thアンソロジー』が発売された。『わた推し』のコミカライズ版を担当する青乃下先生も堂々参戦!!


その分厚さはキセキ食堂のトンカツか大木屋のリブロースステーキかと言いたくなる。後は居酒屋の厚切りベーコンか。


青乃下先生の描く『嘘』は、2019年の宝塚を舞台に繰り広げられる百合漫画だ。たった一つの嘘から物語が始まる。2019年といえば、宝塚歌劇が105周年を迎えた年だったりする。そして、平成から令和に変わった年だ。2019年は日本において、大きな意味を持つ年といえるだろう。後、2019年12月上旬に『わた推し』のコミカライズ版の話が出ていた年でもある。


2019年というチョイスは、いろいろな意味を持っていそう。


タイトルの通り、嘘を活かした物語の展開・演出が見どころだ。


作中に描かれている宝塚大劇場・宝塚大劇場の近くにあるファミール宝塚グランスイートタワー・宝塚大劇場の近くにある宝塚大橋・幸と夏江がいちごパフェを食べたコーヒープリンセス宝塚店・温泉施設のナチュールスパ 宝塚・冒頭の宝来橋・阪急電車・音楽学校というセリフから宝塚が舞台であることを察することができる。


宝塚は兵庫県にある市。高級住宅街の一つでもある。兵庫県の高級住宅街と呼ばれている場所として、芦屋・夙川・御影・岡本などが有名だ。ベッドタウンとしての側面も強い。


宝塚市は手塚治虫記念館があることでも知られている。漫画が好きな方のなかには、宝塚と聞いて、手塚治虫記念館をイメージしたりするのではないだろうか。炭酸水のウィルキンソン発祥の地だったりする。ちなみに、宝塚市に隣接している川西市は、三ツ矢サイダー発祥地。アニメイト川西店が川西市にあり、宝塚市も商圏に入るのだろう。

KADOKAWAの『阪急タイムマシン』の舞台に宝塚が選ばれている。『嘘』同様、阪急電車が描かれているので、気になる方は一度チェックしていただけたらなと。他にも、幻冬舎文庫から『阪急電車』という小説が出ている。映画にもなっているので、小説や映画を見たといった方もいそう。


温泉施設で思い出したけど、バスを使えば、宝塚から有馬温泉に行くこともできる。


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メロンブックスで開催されていたコミック百合姫20周年記念フェア in Melonbooks。メロンブックスで百合姫コミックスを購入すると、ミニ色紙風カードがもらえるというものだ。青乃下先生も参加している。クレアが美しい…


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全種類並べてみると、このような感じに。Xを見た感じ、全種類揃えている方がそれなりにいるようですね。


最後に

クレアが愛される存在として強く描かれていた『わた推し』54話。作中におけるクレアの笑顔が眩しく映る。物語に感情移入するためには、愛されるキャラクターづくりが大事だということを実感する。レイのクールな面が光っていたのも印象的。


55話以降、クレアはレイを信じ切ることができるのか。


『yrhm 百合姫20thアンソロジー』に収録されている青乃下先生の『嘘』もぜひぜひ。


青乃下先生のサイン会が開催されたら、関西弁を練習しようかな。


参考資料

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【書籍・雑誌】


・コミック百合姫2025年9月号

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・『私の推しは悪役令嬢。-Revolution-』3巻

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