『あさぎ色のサウダージ』18話の感想を紹介することに。
『あさぎ色のサウダージ』18話の基本情報・内容
| タイトル | 『あさぎ色のサウダージ』18話 |
|---|---|
| 作者 | サクタロー(@sktr_sgt) |
| 掲載誌 | カドコミ |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 配信日 | 2025年8月22日 |
| カドコミ | https://comic-walker.com/detail/KC_005781_S?episodeType=first |
こよみがきっかけで直己と再会したまつり。大切な家族のためにまつりは、直己と正面から向き合うことに。
『あさぎ色のサウダージ』18話の感想
次回で最終話ですか…うーん複雑。毎回、読んでる作品が最終話を迎えるのに慣れない。慣れることは一生ないだろうけど。
蓮を犯罪者呼ばわりした直己の髪の毛を掴み、直己を詰めるまつりが最高にロックだった。読んだとき、ブルッ!ときた…普段、蓮たちに優しい表情を浮かべているまつりがキレる姿にシビれましたね。
笑顔で直己に詰め寄るまつりに威圧感が。家族の悪口は絶対に許さないと言っているような感じがする。家族の未来を守るためなら、鬼にもなれるということかな。
自分でも、直己のような人間を見たら、蓮やまつりのようになる。他人に家族のことをあれこれ言われたとき、はらわた煮えくり返っていたな。
正しいとか悪いとか云々みたいな答えを探しているわけではないと蓮が振り返っていたけど、まつりと直己のどちらに親としての資格があるかをこよみが下している。前回、電車の中でこよみが言った「ママと一緒にいたい」という一言がすべて。
ママと一緒にいたいと言わせるだけではなく、自分の父親に面倒を任せているのを考えたら、どのように自分の子供と接してきたかを察することができなくも。こよみの手を強く引っ張っていたし。
直己に対して言いたいことは、概ね蓮とまつりが言っていた。前回、電車でまつりが蓮とこよみを抱き寄せていたのを見たら、家族だって思いませんか???家族を守りたい・家族の悪口は許せないと感じるのは、基本的には当たり前だと思う。家庭事情がそれぞれ違うから、人によっては家族との関係が良好ではないとかいろいろ感じている方も多いかもしれないけど。
直己がひとりじゃ何もできないのかとまつりに対して鼻で笑っていたけど、お前が言うなって言いたくなる。お前こそ、ひとりじゃ何もできないくせに。人間はひとりでは生きていけないし、ひとりで仕事ができるわけではない。会社の上司や同僚、部下、お客さんなど、いろいろな人とかかわることになる。場所によっては、近所付き合いが大事になることも。
ひとりでなんでもできる・ひとりで生きていけるなんて、ありえない。人間は誰かを助け、助けられながら生きていくのだから。ひとりぼっちの直己には、わからないのかもしれないけど。
本編では、語られていなかったけど、まつりが横領したお金はギャンブルか借金返済に消えたんだろうな。まつりが毎月振り込んだお金もろくな使われ方をしていなさそう。横領したお金がこよみの中学受験の費用・大学の学費とかになるとは思えない。こよみ自身、そんなお金で大学入学とか絶対嫌だろうけど。
まつりが直己を警察に突き出さなかったのは、こよみに大きなショックを与える可能性があるから。直己がまつりを唆し、横領させたと知った時のショックの大きさは計り知れない。真実を伝えることが正解とは限らない。いずれは知ることになる事実。直己も嘘は突き通すことができない。
毎日、しっかりコミュニケーションを取っていたら、ママと一緒にいたいとか言わないだろう。直己、ギャンブル癖が直っていない可能性も十分あるような。まつりが直己に毎月、お金を振り込んでいたのは、やはり…!と感じた。
蓮・まつり・こよみを愛したくなるし、直己に煮えたぎる怒りみたいなものが湧き出る。サクタロー先生、ズルいよ。サクタロー先生の描いたことに乗ってしまう。直己に愛される要素があまりにも無さ過ぎるし、蓮・まつり・こよみに愛される要素がしっかり落とし込まれている。
スーパー戦隊シリーズの悪役でも、見た目のカッコよさ・可愛さ・性格のおもしろさ・能力の高さ・敵同士の対立・作中の活躍と夢中になれる要素がいくつも散りばめられている。好きになれる要素がいくつもある。もちろん、同情の余地がない・見ていて腹の立つ怪人みたいなのは特撮で目にする。
家族を利用する・人を馬鹿にした態度をとる・自分のことしか考えていない様子などを見ると、直己を好きになれというのは無理があるような…
前回の感想でも触れたけど、こよみは『となりのトトロ』のメイや『クレヨンしんちゃん』のしんちゃんと同様に愛したくなる要素がある。大好きな家族に会うため・助けるため、ひとりで遠い場所に行こうとする姿は。大丈夫かなと心配したくなる気持ちや頑張れと応援したくなる気持ちが湧き出てくる。
蓮とまつりの辛い現実に足掻く姿も心を締め付けられるし、再び立ち上がろとする姿は読む人を夢中にさせるような。
人生は辛いことばかりだけど、人間は何度でも立ち上がれる・決してひとりじゃない・家族や友達が力になるといったことを感じさせる一作だと思う。
直己の父親は直己とまつりのどっちにこよみを任せた方が良いと思うのだろうか。
家路についた蓮とまつりの踵にできた大きな靴擦れも生きている証なのかなと、私は解釈している。靴擦れができると、足がジンジンと痛くなる。足首を動かすたび、痛くなるんですよね。こういった痛みを感じるたび、自分は生きていると感じることができるのだ。蓮、まつりに甘えているような気も。ずっとひとりだった蓮は、まつりと再会し、安らぎを感じているようだ。窓から差し込む光は、蓮とまつりの新しい第一歩を祝福しているみたいだった。
後は、東京スカイツリーの描き込み具合が凄い。歩道橋や駅などの背景描写の描き込み具合に毎回驚かされる…1話の時から登場した東京スカイツリー。無機質で巨大な建造物は、迷える蓮とまつりを導くモノリスみたいな存在だなと実感する。
最後に
まつりはこよみの母親にふさわしいことが描かれていた『あさぎ色のサウダージ』18話。前回、こよみがまつりを選んだことを考えると、こよみの親に値しないのは直己だというのが明白だったと思う。
こよみがいなくなって、真っ先に駆けつけたのが蓮とまつりだったし。先に駆けつけていたのが直己だったら、運命が変わってきた気も。ひょっとしたら、直己の父親は事件の真相を察していたのかもしれない。でないと、まつりとこよみを引き合わせようなんて考えが浮かぶはずもないし。
こよみが大人になって、すべての真実を知った時、まつりとどう接するのか気になったりした。それでも、まつりを選ぶと思うけど。
次回で最終話というのが寂しい。1話、1話が妥協されていなくて、キャラクター一人ひとりの生き方が丁寧に描かれているところが好きなんだよなぁ。
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