【感想・考察】『ぜんぶ壊して地獄で愛して』5巻~来未が轟かす魂の叫び・直井の絶望・恭華の見えざる手~


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『ぜんぶ壊して地獄で愛して』5巻の感想を紹介することに。


もくじ

『ぜんぶ壊して地獄で愛して』5巻の基本情報・内容

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タイトル『ぜんぶ壊して地獄で愛して』5巻
作者くわばらたもつ(@kuw8ra)
掲載誌コミック百合姫
出版社一迅社
発売日2025年11月18日
発行人野内雅宏
編集内藤望(https://x.com/hatsuka_n_yh)
発売元株式会社講談社(https://www.kodansha.co.jp/)
印刷株式会社DNP出版プロダクツ(https://www.dnp.co.jp/group/dnp-pub-products/index.html)
製本フォーマット社
本文製版株式会社サンシン企画(https://www.sansin-kikaku.tokyo/)
デザインウチカワデザイン(https://uctk.net/)
ISBN978-4758029896
サイズB6

あらすじ

卒業までやり過ごし、卒業後は直井と一緒に暮らそうと思っていた来未。夏休み明けに工藤恭華が転校してくる。クラスにすぐ馴染んだ恭華は、直井を自分のものにするためにクラスを侵食していく。果たして、来未と直井は恭華の魔の手から逃れることができるのか。



物語の核
  • 直井に魂の叫びをぶつける来未
  • 直井の絶望
  • 恭華の見えざる手

補足

メロンブックスで2025年11月7日発売の『ダメ犬彼女』1巻との連動キャンペーンを開催。『ダメ犬彼女』1巻と『ぜんぶ壊して地獄で愛して』5巻を購入すると、クリアファイルが配布されるというもの。



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2025年11月発売の百合姫コミックス
  • 『私の百合はお仕事です!』14巻
  • 『彩純ちゃんはレズ風俗に興味があります!』7巻
  • 『サボりなら保健室でどうぞ?』3巻
  • 『崖っぷち令嬢は黒騎士様を惚れさせたい!』3巻


来未、魂の叫び

直井に最大級の愛を叫ぶ来未がロックすぎる…単純にカッコいい…カッコよすぎる…


来未と直井のぶつかり合うことで生じる感情や結果、日常の変化などが『ぜんこわ』の魅力。来未が後戻りできない状況に追い込まれつつも、本来の感情をむき出しにするところとかも好きだけど。


最後の最後にとっておきの一撃を用意するくわばら先生にシビれてしまう。『ぜんこわ』5巻のラストは、それまでの過程とかすべて吹っ飛ばしていた。


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『ぜんこわ』5巻の帯のセンスが良く、表紙の来未とすごくマッチしている。


直井の絶望

直井の絶望が生々しく、痛々しい。直井のそれまで積み上げてきたものが一瞬で水の泡になったような。そりゃ、来未を求めたくなるよ。


本当は誰よりも優しいはずの直井なのに、この仕打ちは…


報われない努力もしくは苦労みたいな言葉を目にするけど、うーむ。


自暴自棄になるのも分からなくは。


直井に訪れた突然の直撃のインパクトがあまりにもデカすぎる…


恭華の見えざる手

恭華という名のトリックスターが来未たちの教室をかき乱していたな。カバー裏のRPGを題材にした描きおろし漫画において、恭華は遊び人という設定だった。神出鬼没・気まぐれなどをイメージさせるピエロ・遊び人は、恭華にピッタリだ。


作中で描かれた教室内での出来事は峰が行ったと思うけど、恭華が峰の引き金を引いた気がする。伊佐沼の心をほぐし、峰に伊佐沼が遠くに行ってしまうかもしれないと思い込ませ、峰の精神を追い詰めていく。


21話の扉絵において、恭華が来未・心・峰を赤い糸で結んでいていたのは、来未を監視・心をいつでも利用できるようにする・峰の伊佐沼に対する感情を利用して自分の利益を得るためといったところか。


煽ったかいがあった・こんなに早く上手くいくなんて大したことないという恭華のセリフ。これは直井に向けられたものではない。峰と伊佐沼に対するセリフなのだろう。文化祭の準備における中心人物は、伊佐沼と峰。伊佐沼のメンツを潰したかと思いきや、上手い具合に舞い上がらせ、峰に伊佐沼が遠くに行ってしまうかもしれないという気持ちを煽り立てる。


全ての元凶は恭華な気がした。


悪貨は良貨を駆逐する

直井が恭華に貰ったお金で来未のプレゼントを買うのを辞めた漫画が印象的だった。来未が喜ばないことを分かりきっていたのだろう。「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉がある。グレシャムの法則で聞き馴染みがあるのではないだろうか。悪貨と良貨が流通すると、次第に市場は悪貨で溢れかえることになる。


直井が恭華からお金をもらい続けると、直井の財布は悪貨で溢れかえることに…


直井ができることがあるとするなら、恭華にお金を返すことだろう。それも全額。恭華からお金を受け取らず、来未の愛を正面から受け止めることが恭華を払いのける唯一の方法だと、私は考えている。


来未は恭華のお金でアパートの敷金や生活道具を揃えるとか絶対嫌がる。私が来未の立場でも、絶対に嫌だと答える。そんな悪意に満ちたお金なんて…


来未と直井が本当の意味で一緒にいるためにも、恭華にお金を返そうと言いたい。使っているなら、何年かかっても。


最後に

絶望に打ちひしがれる直井に来未が心の叫びをぶつける様子を描いた『ぜんこわ』5巻。来未と直井がラストに見せたやり取りだけではなく、恭華の見えざる手の恐ろしさも生々しく描かれていた。


『ダメ犬彼女』の1巻も発売されたので、気になる方はぜひ。


直井は恭華にお金を返すべきだと思う。


参考資料

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・『ぜんぶ壊して地獄で愛して』5巻

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