【感想・考察】『私の推しは悪役令嬢。』57話に描かれていた4つの反逆の炎


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『私の推しは悪役令嬢。』57話の感想を紹介することに。


もくじ

『私の推しは悪役令嬢。』57話の基本情報・内容

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タイトル『私の推しは悪役令嬢。』57話
サブタイトル
漫画青乃下(@aonoesu)
原作いのり。(@inori_ILTV)
キャラクター原案花ヶ田(@Lv870)
TVアニメ公式Twitter@wataoshi_anime
掲載誌コミック百合姫2026年1月号
出版社一迅社
編集部のTwitterアカウント@yh_magazine
発売日2025年11月18日
ISBN4912137390168
サイズB5

あらすじ

進撃する帝国軍を前にセインの即位を急ぐ王室。革命政府はそんな王室にとある書簡を送りつける。サーラスの野望がバウアー王国にさらなる火種を生み出すことに。目の前に広がる絶望を前に打ちひしがれるクレア。レイはそんなクレアにとある役割を与える。


果たして、レイとクレアは旧時代を乗り越えることができるのか。


物語の核
  • サーラスの計略
  • リリィの真意
  • 絶望に打ちひしがれるクレアを鼓舞するレイ

第1の炎「レイとクレア」

クレアが最期を迎えようとしたら、レイがそれを止める姿が特に印象的だった。今まで、飄々としたというか淡々と物事を進めようとしてきたレイが、自分の感情を見せたような気がした。


クレアをかけて、マナリアと勝負した時を思い出してしまう。それほどまでに、クレアのことが好きなのかと。


最期を迎えようとするクレアを止めたときのレイの表情をあえて描かないことで、どのような表情をしているのか・どれだけ葛藤しているかなどを読み手に考えさせているように思う。


サーラスの反乱によって絶望したクレアに対して、レイが「十分頑張った」「仕方のないこと」と言っていたけど、それらの言葉が慰めになるかと言われたら…


努力が報われないこと・逃れられない運命は、往々にしてある。何か大きな挫折をした際、クレアの言うように「もっと力があれば」とか「もっと頑張っていれば」といった言葉が出てくる場合が多い気がする。クレアが目の当たりにしている挫折は、想像以上に大きすぎるけど…


クレアはどんな力があれば、サーラスを止められたのか。クレアが何を頑張れば、革命政府が発足されずに済んだのか。


泣き叫んだあとのクレアの表情は、己の無力さを実感したような印象も。


最期を潔く迎えようとするクレアの背中は、どこか眩しく感じた。貴族たる器があるということか。青乃下先生はクレアをカッコよく見せるのが本当に凄い。『わた推し』で好きだなと感じさせる部分だったりする。


『わた推し』に限らず、どの漫画やアニメ、ゲームにおいても、キャラクターをカッコよく見せるって本当に大事だと思う。カッコよさというのは、圧倒的なビジュアルだとか圧倒的な強さとかそういう話ではない。


クレアの顔に光を当てることで、後ろ姿がより映えていたような。その前にクレアの足元をアップにすることにより、クレアの覚悟がより一層伝わってくる。下に降りる階段が描かれていたのは、クレアが死を覚悟するというのを読み手に分かりやすく伝えるためではないかと、私は考えている。


下を連想させるものといえば、深淵や地獄、死といったものを連想してしまう。クレアの足元が綺麗に描かれていたのを見て、自殺者が靴を綺麗に脱ぎ揃える様子をイメージした。


レイが旧時代を糾弾するというのは、王室・貴族はもちろん、サーラスもまとめて糾弾するといったところだろう。アーラもそのなかの1人な気も。


臨時政府には居場所がないのはもちろん、革命政府にも居場所がない。クレアが生き残るためには、その両方を糾弾しなければならない。クレアがバウアー王国の危機を救った英雄にすることで、クレアを死から救うことができると。


サーラスが頂点に立ったら、旧時代と同じことを繰り返していく。能力のある者やサーラスにゴマを擦った者が祭りの中心に立つ国は、どこかの世紀末を彷彿させる世界が待っているような気がする。


レイは正義の味方なんかじゃない。クレアを救う過程のなかでバウアー王国の危機を回避しようとしている。必要だからこそ、レイはクレアとともに反乱の炎になる。クレアに炎属性を付与したのは、旧時代の破壊と新時代へと再生させる役割を与えるためだったのかなと思わなくも。炎といえば、不死鳥とかを連想させるし。


レイの水属性と土属性。クレアの炎属性。ミシャやセインが持つ風属性。レイ達は互いに足りないものを補い合い、サーラスに戦いを挑むと。こうして考えてみると、サーラスに欠けているものがあまりにも多すぎる気がした。


第2の炎「リリィ=リリウム」

リリィも反逆の炎の1つだと思う。ただし、王室や貴族に対してではなく、サーラスに対する。デモが学院前まで押し寄せたとき、わざとレイ達の前に現れたような。


現れなかったら、レイが狂化の魔法をかけられた平民達の対処法に気づくのに時間がかかっていた気がする。リリィはレイにデモの対処法を教えていたのかなと。その気になれば、平民達の後ろで学院が制圧されるのを待つこともできた。


リリィはレイに自分達を止めてくれるのを望んでいる。セインと戦った時にサーラスのことを良くない人間だと遠回しに言っていたし。


デモを止めるシーンでは、炎属性のクレアがいないと革命政府に勝つことができないということを上手く表現していたと思う。


第3の炎「アーラ=マニュエル」

アーラも反逆の炎の1つだ。王室や貴族が主体となる国を変えたいという想いだけではなく、家族を不幸に陥れたサーラスを許せないという想いがアーラを動かしている。


サーラスが実権を握れば、一体どうなるかなんて分かりきっていた。そんな感じがする。


アーラがサーラスに勝てなかったのは、旧時代の人間だったからだろうな。ある意味、正直すぎるというか。サーラスはアーラが反乱を起こすなんて分かりきっていたと思う。


第4の炎「サーラス=リリウム」

第4の反逆の炎。その名もサーラス=リリウム。


部下がやったとはいえ、守るべき民を切るなんて許されない。民の命を何とも思わないサーラスが実権を握るなんて、地獄としか言いようがない。


アーラがサーラスに怒りを露にしたのは、罪なき民の命を奪う行為をしたから。自分達の家族と同じ悲劇を民にさせたくないという想いがサーラスに刃を向ける。


王室に書簡を送ったのも、セインが王になったら、サーラスが主導権を握れる可能性が高くなるからだろう。セインの実の父親はサーラス。その気になれば、摂政という形で国を動かすことも。


アーラに対する反乱の炎というのも、サブタイトルに込められているような。


王室がサーラスに応じたのは、内紛を収束させつつ、帝国軍に対処できると判断したからだ。王室からしてみれば、内紛と帝国軍は対処しなければならないもの。サーラスに応じれば、可及的速やかに対処できると考えたら、王室がサーラスに応じるのも無理はない。その結果がより良いものかどうかは別として。


最後に

旧時代との戦いの火蓋が切って落とされた『わた推し』57話。


ラストにおけるレイとクレアのやり取りが秀逸だったと思う。クレアをカッコよく見せるという点にこだわりが。絶望に打ちひしがれるクレアに対し、レイが自分の気持ちを見せていたのが印象的だった。


58話以降、レイ達の活躍が一体どのように描かれるのか。


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青乃下先生直筆のレイとクレアの色紙、やっぱ欲しかったわ。

参考資料

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