【感想・考察】『音のレガート』3巻で感じたイマジネーションと経験を組み合わせる意義

金管アンサンブルを題材にした『音のレガート』。最終巻である3巻が発売されたので、作品を一通り読み終えて感じたことを言語化することに。 目次 『音のレガート』の総括表紙の考察最後に 『音のレガート』の総括▼音のレガート 3 (まんがタイムKR フォワードコミックス) 『音のレガート』3巻まで読み終え、この作品の根幹となる部分は「音楽は楽しい」「金管アンサンブル・クラシックは奥深い」「音楽に携わる方法はたくさんあるよ」の3点だと感じた。音達を通じて、音楽に携わる方法はいくつも存在するというのを発信していた作品だったのではないかと解釈している。 トランペット奏者としても活躍しているすいと先生は一体何を描きたいか・どういったことを伝えたいかは作中における音達の活躍やあとがきで察することができるのではないかなと。ステージの上で主役として活躍するだけでなく、舞台を盛り上げる名脇役・学校などで指導者として携わる道・事務所の経営者など、接する方法は多岐に渡る。 音楽を活かすための道はたくさんあるんだなと感じさせる百合漫画だ。19話の時でも触れたけど、音と万里の百合から始まり、音と万里の百合で終わる。音と万里がメロディをユニゾンさせる瞬間は尊いなと思うばかりだ。 音楽の奥深さ・楽しさを知っているすいと先生だからこそ、『音のレガート』という作品そして音達を生み出せたのだろう。すいと先生のイマジネーションと経験、趣向、伝えたいメッセージなどが1つの作品に詰まっている。 漫画には、想像力だとか経験が大事とか…

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【感想・考察】『音のレガート』19話~音と万里の百合で始まり音と万里の百合で終わる作品だった~

『音のレガート』19話の感想を紹介します。 目次 基本情報『音のレガート』19話の内容『音のレガート』19話の感想最後に 基本情報▼まんがタイムきららフォワード 2023年 03 月号 [雑誌] タイトル『音のレガート』19話サブタイトル音のレガート作者すいと(@tiguhagu_metro)掲載誌まんがタイムきららフォワード2023年3月号出版社芳文社発売日2023年1月24日ISBN4910082710338サイズB5 『音のレガート』19話の内容『音のレガート』19話はアンサンブルコンテスト県大会の様子に加え、大人になった音達について触れられていました。 『音のレガート』19話の感想見どころはいろいろあると思うけど、音と万里の百合が一番印象に残る。物語の総括・テーマと言えば良いのか。作品の幹となる部分は音と万里のやり取り・関係性に尽きると思う。 音楽に打ち込む人の進路や未来という部分も描かれていたけど、音と万里が作品の要だったなという感想が19話を見て感じたわけで… 特に、大人になった音が万里に同学年になって嬉しかったと耳元で囁くシーンが一番好き。先輩後輩から同学年。同学年から一生涯のパートナーになっていったのかなと感じさせる。 音がいじめると万里は言っていたけど、音と過ごした時間が幸せだったんだろうなと。 片方がグイグイ引っ張る関係から隣に並んで歩く関係に変化していく部分に尊さを覚える。 ラストに柚季と葵が左薬指に指輪しているということはそういうことでしょう。Twit…

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【感想・考察】『音のレガート』18話~別れ際の音と愁が印象に残る回~

『音のレガート』18話の感想を紹介します。 目次 基本情報『音のレガート』18話の内容『音のレガート』18話の感想最後に 基本情報▼まんがタイムきららフォワード 2023年 02 月号 [雑誌] タイトル『音のレガート』18話作者すいと(@tiguhagu_metro)掲載誌まんがタイムきららフォワード2023年2月号出版社芳文社発売日2022年12月22日ISBN4910082710239サイズB5 『音のレガート』18話の内容『音のレガート』18話は、アンサンブルコンテスト西地区大会で音達が音の祖父が生み出した楽曲「Sound of Legato.」を披露する回。 『音のレガート』18話の感想『音のレガート』18話を読み終え、自分が特に良かったなと感じた部分は「Sound of Legato.」を披露した後の音達の表情。自分のできる限りのことを尽くし、晴れやかな気持ちになったという表情が印象に残る。 音が愁に「またね」と言って別れるシーンも見どころ。 18話のラストのようなシーンが毎年、行われているんだろうなと感じた。人によっては、音達のようなやり取りをすることなく別れてしまうのだろうという疑問が頭に浮かぶ。 「Sound of Legato.」の演奏シーンが多く描かれていなかったけど、6話の市民音楽祭の時のように心に残る演奏をしたんだろうなと。多く描かないことで当日の様子は読み手1人1人の想像に委ねるといったところだろうか。 ただ1つ言えることがあるとしたら、音達は切っても…

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